LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


MIRABASSI, RENZI & PARKER TRIO

artist GIOVANNI MIRABASSI

REPORT


ジョヴァンニ・ミラバッシ-GIOVANNI MIRABASSI


公演初日リポート:MIRABASSI, RENZI & PARKER TRIO



前回登場したとき、彼らはジョヴァンニ・ミラバッシ・トリオと名乗っていました。
しかし今回は、“ミラバッシ、レンジ、パーカー・トリオ”という、各メンバーの名前を並べたユニット名での出演です。

3人が繰り広げる音の会話、それこそ彼らのステージの特徴です。メンバーの誰一人が入れ替わっても、あの香り高い世界は生まれ得ないでしょう。テーマ・メロディを奏でるのはピアノが中心ですが、ベースやドラムスが単なる伴奏に甘んじていないのは、彼らのパフォーマンスに接すればわかります。全員が演奏の主役なのです。また、レパートリーの殆どは、3人が持ち寄ったオリジナル曲で構成されています。その点でも、今回の“改名”は大成功だったといえます。

アイスランドの火山噴火の余波で今だヨーロッパの空路は安定していません。きょうアップされた movie の中のメッセージで "3" days travel " と本人たちが言ってましたが、“ミラバッシ、レンジ、パーカー・トリオ”は陸路でヨーロッパを移動し、香港経由の飛行機で来日したとのこと。しかし演奏に疲れはまったく見られず、というか、むしろこちらに元気を与えてくれるほど颯爽としたものでした。ぼくが見た初日セカンド・セットは、何かにとりつかれたかのようにテンションの高いプレイが90分近くにわたって続きました。前回、エレクトリック・アップライト・ベースを弾いていたジャンルカ・レンジは今回、コントラバスを使用し、重厚な音色と超絶技巧で酔わせてくれましたし、ドラムの各部位(シンバルやタムの縁なども含む)を使って、多彩なビートを打ち出すレオン・パーカーは今回も“リズムの化身”ぶりを存分に発揮していました。もちろんミラバッシのフレーズは流麗そのもの、頭を鍵盤に近づけ、両手の間に挟むようにして弾くスタイルはどこかビル・エヴァンスを連想させます。

前回より4ビートのナンバーやラテン調の曲が増えたのも、個人的には嬉しいところです。ジョン・コルトレーンの演奏で有名な「IMPRESSIONS」とアメリカン・スタンダードの「ALONE TOGETHER」に斬新なアレンジをほどこし、しかもメドレーとして聴かせてくれたのにも驚きました。きけば今回の公演は3日間ともライヴ・レコーディングされているとのこと。それも演奏の気合に拍車をかけているのでしょうか。

本日、明日「ブルーノート東京」にいらっしゃる方は、ぜひ盛大に彼らの熱演を盛り上げていただければと思います。CDに皆様の拍手が入るかもしれませんよ。
(原田 2010/4/21)


● 4.21wed.-4.23fri.
MIRABASSI, RENZI & PARKER TRIO
詳細はこちら

ジョヴァンニ・ミラバッシ-GIOVANNI MIRABASSI

SET LIST

coming soon

INDEX