2010.06.22
MANHATTAN JAZZ QUINTET
artist MANHATTAN JAZZ ORCHESTRA , MANHATTAN JAZZ QUINTET
公演初日リポート:MANHATTAN JAZZ QUINTET
日曜日に行なわれた「ブルーノート東京ジャズ・セミナー」で、たっぷりトーク(しかも日本語)を楽しませてくれたデヴィッド・マシューズ。いよいよ昨日からマンハッタン・ジャズ・クインテットによるステージが始まりました。
同グループは今年で発足26年を迎えます。初代メンバーはマシューズ(ピアノ)、ルー・ソロフ(トランペット)、ジョージ・ヤング(テナー・サックス)、チャーネット・モフェット(ベース)、スティーヴ・ガッド(ドラムス)。「あの頃はルーちゃんの髪の毛もフサフサだったし、ぼくのヒゲも真っ黒だった」と、マシューズは語っていました。
ここしばらくマシューズ、ソロフ、モフェット、アンディ・スニッツァー(テナー・サックス)、ヴィクター・ルイス(ドラムス)というラインナップで活動を続けていたクインテットですが、今回の公演ではモフェットに替わる新メンバーとしてフランソワ・ムタンが紹介されました。パリ出身の彼は、これまでマルシアル・ソラル(ピアノ)、エリック・ル・ラン(トランペット)、ランディ・ブレッカー(トランペット)、リシャール・ガリアーノ(アコーディオン)等と共演、1997年からニューヨークを拠点にしています。ぼくは彼とルイス・ムタン(ドラムス)が組んだ兄弟バンド“ムタン・リユニオン・カルテット”のCDを聴いてから、すっかりファンです。今回、ようやく生でフランソワのプレイを味わうことができたわけですが、こんなに速弾きソロをするベーシストだったとは驚きました。ムタンのプレイは、マンハッタン・ジャズ・クインテットの新たな呼び物になることでしょう。
もちろんオリジナル・メンバーのひとりであるルー・ソロフも目いっぱい気を吐いていました。いまでは使われることが珍しくなったプランジャー・ミュート(かつてデューク・エリントン・オーケストラが多用した)を用いて演奏したり、通常のトランペットよりさらに高い音を出すピッコロ・トランペットで突き刺すようなハイノートを出してファンを沸かせたり、客席を練り歩いて豊かな生音を響かせたり、ショウマンシップにさらに磨きがかかったような気がします。
また、つい先日までジェーソン・マイルスのプロジェクトにて同じブルーノート東京のステージに出演し、グローヴァー・ワシントン Jr. の魂を継承したかのようなアツいパフォーマンスで魅了してくれていたアンディ・スニッツアーが、今度はアコースティック・ジャズ・コンボでの"ドジャズ魂" をもって、まったくの "別の顔"を見せてくれてます。
プログラムは「Moanin’」、「I Got Rhythm」、「My Funny Valentine」等の超有名曲ばかり。すべてに周到なアレンジが施されていたことはいうまでもありません。日曜日にマシューズが語った「アレンジャーは作曲家なんだ」という言葉を強く実感させてくれるステージでした。
● 6.21mon.-6.24thu.
MANHATTAN JAZZ QUINTET
coming soon