2010.08.18
AKIKO YANO TRIO featuring WILL LEE & CHRIS PARKER
artist 矢野顕子
公演初日リポート:AKIKO YANO TRIO featuring WILL LEE & CHRIS PARKER
矢野顕子、ウィル・リー、クリス・パーカー。この“黄金トリオ”の公演が、昨日から始まっています。去年に続いて「ブルーノート東京」のステージに立った3人ですが、今回も本当に興味をそそりまくる、聴き応えが波のように押し寄せてくるようなサウンドで楽しませてくれます。
メロディとメロディの間からまた別のメロディが浮かび上がり、ハーモニーとハーモニーの間をまた別のハーモニーが漂う感じといえばいいでしょうか。硬軟も伸縮も自在のトリオ・ミュージックが味わえるのです。オープニングの「A BEAUTIFUL MORNING」は、この9月に「ブルーノート」初登場を果たすラスカルズのレパートリー。これを100%矢野顕子トリオのカラーに染めて、オーディエンスの心をわしづかみにします。
続いてボックス・トップスの「THE LETTER」(あの娘のレター)、沖縄民謡の「てぃんさぐぬ花」、ベンチャーズ歌謡の「京都慕情」などを、ワン&オンリーに解釈。間奏に入ると、彼らの持っている“即興魂”が一気に噴出します。矢野のアドリブ・フレーズにすかさずウィルが反応し、クリスが鋭い一打を入れる・・・・国籍、言語、ジャンル、すべて飛び越えた響きは、ただただ爽快です。
ヴォーカリストとしても高い評価を集めるウィル・リーは、ラルフ・マクドナルドが作曲し、グローヴァー・ワシントンJr.とビル・ウィザースのコンビで大ヒットした「JUST THE TWO OF US」でベースの弾き語りを披露。6月にライアン・ショウが「ブルーノート東京」で歌ったことも記憶に新しいナンバーですが、まさかこれをウィルの渋い歌声で聴くことになろうとは思いませんでした。「ウィル・リーのリード・ヴォーカルにバック・コーラスをつける矢野顕子」が味わえるなんて、なんと贅沢でレアな体験なのでしょう。
後半では再びラスカルズの「PEOPLE GOT BE FREE」が演奏され、ラストの「ROSE GARDEN」では3人とも“これでもか、これでもか”というほど超絶フレーズのてんこ盛りでした。実力者同士だからこそ織り成すことのできる、ユーモアたっぷりの真剣勝負は21日まで続きます(19日はオフ)。
(原田 2010 /8/17)
● 8.17tue.-8.21sat.(8.19thu.OFF)
AKIKO YANO TRIO featuring WILL LEE & CHRIS PARKER
coming soon