2010.12.06
FOURPLAY
artist BOB JAMES , FOURPLAY , HARVEY MASON
公演初日リポート:FOURPLAY
新生フォープレイが、最新作『レッツ・タッチ・ザ・スカイ』を携えてブルーノート東京に戻ってきました。
ボブ・ジェームス、ネイザン・イースト、ハーヴィー・メイソンという不動の顔ぶれに、今年から新ギタリストとしてチャック・ローブが参加。正直に申し上げて日本では前任のリー・リトナー、ラリー・カールトンほどの知名度は持ち合わせていませんが、西海岸にベースをおくふたりとは異なり、ニューヨークに生まれ育ち、モダン・ジャズの強いバックグラウンドを持つ(ジム・ホールに師事し、スタン・ゲッツのバンドで本格的なプロ入りを果たしました)チャックの加入は間違いなくフォープレイに新風を吹き込んでいます。
黒いスーツ、赤いネクタイで統一した4人がステージに向かうだけで、超満員の場内は拍手と声援でいっぱいになります。オープニングにはアルバム『スノウバウンド』から「ANGELS WE HAVE HEARD ON HIGH」を演奏、ひと足早いクリスマスを届けてくれた後は『X』から「EASTERN SKY」をプレイ。ネイザンのスキャット・ヴォーカルも冴えに冴えています。きくところによると彼はこの夏、アキレス腱を切ってしばらく活動停止していたそうですが、ステージに立つ姿はすっかり復調、元気そのものです。3曲目からはお待ちかね、『レッツ・タッチ・ザ・スカイ』からのナンバーが続きます。MIDIピアノを自由自在に駆使するボブ、愛用の緑色のソリッド・ギターとアームのついたセミアコ・ギターを持ち替えるチャック(ステージにはアコースティック・ギターも置いてありましたが、初日のファースト・セットでは弾きませんでした)、流れるようなスティックさばきでサポートに徹するハーヴィー、笑顔を絶やさずに超絶フレーズを決めるネイザン。ソロ活動も盛んな4人ですが、やはりフォープレイとして演奏するときの気持ちは格別なのでしょう、彼らの“一緒にプレイする喜び”が伝わってくるようなステージでした。
来年、フォープレイはアルバム・デビュー20周年を迎えます。グループができた当初、ボブはあるインタビューでこう語っていました。「モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)のような存在になるのが目標だ」。MJQは結成されてから22年後に一度解散しました。しかしフォープレイはこのまま20年、25年、30年と突っ走ってくれるような気がします。
なお、彼らは 12/10fri、新日本フィルハーモニックオーケストラとの競演という一夜限りの歴史的スペシャル・パフォーマンスがあります。こちらもお見逃しなく。
(原田 2010/12/5)
● 12.5sun.-12.8wed.
FOURPLAY
● 12.10 fri.
FOURPLAY Symphonic Special Night
すみだトリフォニーホール
coming soon