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JUNKO ONISHI TRIO

artist 大西順子

REPORT


大西 順子 - JUNKO ONISHI


公演初日リポート:JUNKO ONISHI TRIO



大西順子が気心の知れたメンバーと、本日まで「ブルーノート東京」で圧巻のパフォーマンスを展開しています。彼女のブルーノート公演はいまや恒例になっていますが、話題の新作『バロック』を発表してからは初めての登場です。昨年の秋にはその参加メンバーと共にホール・コンサートを行ないましたが、より親密感のあるクラブで味わう大西順子の世界は格別です。

今回の共演者は、1994年のニューヨーク「ヴィレッジ・ヴァンガード」公演以来、折に触れて一緒にプレイし続けているレジナルド・ヴィール(ベース)と、やはり大西とは90年代初頭からのつきあいとなるグレゴリー・ハッチンソン(ドラムス)。90年代のジャズ界に彗星のようにあらわれた彼らも、すっかり貫禄を増し、大西との組み合わせは文字通りのオールスター・トリオといった感じです。

ぼくがハッチンソンと大西のコンビネーションを初めて聴いたのは確か1993年、五反田で行なわれたホール公演だったと思います。当初予定されていたベテラン・ドラマーのビリー・ヒギンズが病のため来日不可能となり、急遽ハッチンソンが参加したのでした。しかし大西との見事な連携はヒギンズの不在を補って余りあるもので、ハッチンソンは代役の域を超えた熱演で才能を強烈に印象付けてくれました。ぼくは「ブルーノート東京」の椅子に座りながら、今からもう20年も前になろうという当時のステージをダブらせつつ、さらにスケールを増した大西とハッチンソンの“音の対話”に聴き入ったのでした。

トリオが一丸となって疾走する「BACK IN THE DAYS」、ベースの胴体をパーカッション代わりにするだけではなく、スラッピング奏法まで織りまぜてレジナルド・ヴィールが熱演した「THE THREE PENNY OPERA」、往年のアーマッド・ジャマル・トリオに表敬した「DARN THAT DREAM」(左手にブラシを持ち、右手でハンド・ドラミングを繰り広げるハッチンソンが圧巻でした)などなど、リキの入ったパフォーマンスが次々と続きます。いっぽう、「NEVER LET ME GO」では染み入るようなバラード・プレイを聴かせてくれました。先日のロイ・ハーグローヴ公演ではロイみずからヴォーカルをとっていたスタンダード・ナンバーですが、大西のピアノもよく歌っていました。

ぼくはセカンド・セットを拝見しましたが、セット・リストを見るとファースト・セットもセカンド・セットも曲目のダブりは殆どありません。全セット通して聴きに来るファンの方がいらっしゃるというのも、とてもよくわかります。充実したトリオ・ジャズを、近距離でお楽しみください。
(原田 2011 2.25)


● 2.25fri.-2.26sat.
JUNKO ONISHI TRIO
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大西 順子 - JUNKO ONISHI

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