2011.03.01
GIOVANNI MIRABASSI TRIO
artist GIOVANNI MIRABASSI
公演初日リポート:GIOVANNI MIRABASSI TRIO
イタリア・ペルージャが生んだ俊英ピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ。昨年末に発表された最新作『ライヴ・アット・ブルーノート東京』も大好評の彼が、ふたたび日本のホームグラウンドに戻ってきてくれました。
ベースのジャンルカ・レンツィは、もはやミラバッシにとって不可欠なパートナー。あっと驚くような素早いフレーズを、ピアノとのユニゾンで鮮やかに決めてくれます。ドラムスのルクミル・ペレスは新たにこのトリオに加わったキューバ出身の逸材。現在はパリに住み、ジャズ〜R&B〜ラテンをまたにかけて活動しています。
前任のリオン・パーカーは、どちらかというとピアノとベースに絡みつくようなドラミングを展開していましたが、ペレスはむしろ“煽るタイプ”のドラマーです。マッチド・グリップ(左手でドラム・スティックを握るように持つ)による強力なプレイは、このトリオにワイルドな魅力を付け加えていました。今回が初来日のペレス、これから日本で一気に知名度が高まることでしょう。
いろんなタイプの曲で1枚のアルバムや1回のステージに盛り込むのがミラバッシ・トリオの魅力だとぼくは思っているのですが、今回もワルツの「NY #1」から始まり、快調な4ビートの「IT'S US」、8ビートにのせたポップな「WORLD CHANGES」、3人が別々のビートを打ち出しながら盛りあげてゆく「SIX FOR SEX」など、現在の3人の技のショウケースというべき演奏をじっくりと楽しませてくれました。
ラストではスタンダード・ナンバーの「WHAT IS THIS THING CALLED LOVE」(キース・ジャレットやビル・エヴァンスも演奏しています)も聴かせてくれましたが、イントロ、アドリブ、エンディング、細かなアレンジにいたるまで、すべてにミラバッシ・トリオならではの独創性が発揮されていました。
公演は本日までです。お見逃しなく。
(原田 2011 2.28)
coming soon