2011.03.11
TOWER OF POWER
artist TOWER OF POWER
公演初日リポート:TOWER OF POWER
大きなアニバーサリーを迎えると、大抵の人間はそこで一区切りをつけてしまうものです。ひとまず落ち着いてしまうものです。
しかしタワー・オブ・パワー(TOP)は違います。先年、結成40周年を迎え、力作『グレイト・アメリカン・ソウルブック』と、盛大なアニバーサリー・ツアーを行なった彼らですが、その意欲、ファンキー度はこの2011年、さらに高まるばかりです。きっと彼らは結成45周年、いや50年に向けて、さらに全力疾走を続けてくれることでしょう。
リーダーのエミリオ・カスティーヨ(テナー・サックス)、“ファンキー・ドクター”ことスティーヴン・ドク・クプカ(バリトン・サックス)、フランシス・“ロッコ”・プレスティーア(ベース)、デイヴィッド・ガリバルディ(ドラムス)、みんなありあまるほどのエネルギーを発揮しています。バンドの礎を築いたといっていいであろう彼らと、その音楽を敬愛する精鋭ミュージシャンが一丸となって、現在進行形の生々しいTOPを目前で繰り広げてくれるのです。
TOPのホーン・セクションは、2本のトランペット、2本のテナー・サックス、1本のバリトン・サックスで構成されています。アルト・サックスが入ればもっと高音が強調されるのかもしれませんし、トロンボーンを加えれば、より柔らかな響きが生まれるかもしれません。しかしこのスピード感に満ちた、とことんまで引き締まったサウンドは、TOP独自の楽器の組み合わせによるところが大きいと思います。今回、トランペットはおなじみのアドルフォ・アコスタとエリック宮城が担当しましたが、エリックはソロでもアンサンブルでも眩しいほどのプレイを展開し、単なる助っ人以上の貢献をしていました。
ホーン・セクション、リズム・セクション、ヴォーカルがすべて強力なバンドは、ありそうでなかなか見つからないものです。乗ってもよし、聴きこんでもよし、踊ってもよし、一緒に歌ってもよし。どんな方法でも楽しめるのが、タワー・オブ・パワーの大きな魅力です。しかも彼らは、各セット、どんどん演目を入れ替えていきます(それほど自信作が多いのです)。1セットとはいわず、2セット、3セットと通いつめても、決して期待を裏切られることはないはずです。
永遠のファンキー野郎のライヴを、ぜひ間近でどうぞ!
(原田 2011 3.10)
● 3.10thu.-3.13sun.
TOWER OF POWER
coming soon