2011.04.09
LARRY CARLTON plays "The Sound of Philadelphia"
artist LARRY CARLTON
公演初日リポート:LARRY CARLTON
plays "The Sound of Philadelphia"
松本孝弘とのコラボレーション・アルバム『TAKE YOUR PICK』でグラミー賞を獲得したばかりのラリー・カールトン。その模様は日本でも大きく報道されました。いままで数えきれないほどの賞を獲得、不動の人気を誇って久しい彼ですが、やはりグラミー受賞の重みは格別のようです。そのラリーが最新作『プレイズ・ザ・サウンド・オブ・フィラデルフィア』の世界をライヴで届けに、来日してくれました。
このアルバムはラリーがオージェイズ、スピナーズ、スタイリスティックス、ハロルド・メルヴィン&ブルーノーツ等が歌った、いわゆるフィラデルフィア・ソウルのナンバーをとりあげた作品です。「COULD IT BE I'M FALLING IN LOVE」、「YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW」、「BACKSTABBERS」といったタイトルに覚えがなくても、メロディを聴けば、“ああ、この曲知ってる”と、絶対に気づくはずのナンバーばかりです。美しく親しみやすい旋律をラリーがワン&オンリーのトーンで奏であげ、選りすぐりのミュージシャンが盛りたてます。
古くからのファンは御存知かと思いますが、『シンギング・プレイイング』という弾き語りアルバムを残しているように、かつてのラリーはヴォーカリストでもありました。しかし現在の彼は、歌心のすべてをギターに注いでいます。ワン・ステージの中で何度も楽器を持ちかえるアーティストも少なくありませんが、ラリーは愛用のギター1本で、激しさと優しさ、ソリッドな部分とソフトな部分、ファンキーなところとリリカルなところなどなど、さまざまな一面を表現します。無伴奏ソロによる”日本の皆さんへの祈り”、「THE LORD'S PRAYER」では、それまでノリノリだった客席が静まり、針一本落としただけでその音が響くのではないかと思われる静寂の中、絶品のバラード・プレイを聴かせてくれました。この曲は前日の木曜、NHK BS1の番組に生出演した際に演奏する予定でしたが突然の地震発生により生演奏の機会がなくなってしまったそうです(しかし、その模様は収録され昨日金曜に放送されたとのこと)。
そして本ライヴのもうひとつの目玉が、人気シンガーのビル・ラバウンティの参加です。彼はキーボードやバック・コーラスを務めるではなく、「DROWNIN' IN THE SEA OF LOVE」、「MAMA CAN'T BUY YOU LOVE」でリード・ヴォーカルをとり、アンコールでは自身のヒット「THIS NIGHT WON'T LAST FOREVER」(涙は今夜だけ)まで披露。まさか歌ってくれるとは思わなかっただけに、予想外のプレゼントをもらったような気分です。
“We came to support you”
MC にての発言が印象深い、日本への想いが詰まった大サービスのステージは12日まで続きます。
東京滞在中に、話題のブルーイ(インコグニート)が立ち上げたチャリティー・ソング・プロジェクト「Love for Japan」にレコーディング参加をするそうです。ステージ外でも勇気とパワーを与えてくれるラリー・カールトンに感謝。
(原田 2011 4.8)
● 4.8fri.-4.12tue.
LARRY CARLTON
plays "The Sound of Philadelphia"
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