2011.05.19
TUCK & PATTI @COTTON CLUB
artist TUCK & PATTI
公演リポート:TUCK & PATTI @COTTON CLUB
いよいよ5月21日からタック&パティが「ブルーノート東京」に登場します。
待ちきれないぼくは、18日のコットンクラブ公演にいきました。そして相変らずやさしく、あたたかい2人の世界に満たされました。
開演前のステージ上には、ボリューム・ペダル、そして小型のモニターだけがあります。タックはギターの音を直接PAから出すので、アンプもいらないのです。「ピアノやドラムスがないと、ステージ上ってこんなに広いのか」と、ぼくは少し驚きながら主役の登場を待ちました。
場内が暗くなると、ギターを持ったタックと、ハイヒールを履いたパティが手をつないで登場します。この日のMCでパティが「知り合って33年、結婚してから29年にかるかしら」と言っていましたが、本当にうらやましくなるような仲のよさです。タックとパティが別々の活動をしているところは想像がつきませんし、この2人に別の楽器奏者が加わったバンド編成というのも想像できません。タック&パティは、彼らだけで完全体なのです。
タックに寄り添うように、目を閉じて歌うパティは本当に気持ちよさそうです。3曲目からはヒールを脱ぎ、裸足になって大地を踏みしめるように歌います。そしてタックは、休みなくギターを弾く指を動かし続けています。というのも彼はベース・ライン、コード(和音)、オブリガート(合いの手といえばいいでしょうか)をすべて同時にこなさなければいけないからです。別にエフェクターを多用しているわけでもなく、足元のボリューム・ペダルで音量を調整する程度なのですが、そのニュアンスに富んだ音色、技巧を超えた技巧というべきテクニックには毎度ながら開いた口がふさがりません。たまに弦を叩いたり強くはじいたりして、打楽器的なアタックを出していたのも強く印象に残りました。おそらく弦高はかなり低めなのでしょう。ソロで演奏された「Europa(Earth's Cry Heaven's Smile)」(サンタナの演奏で有名)は、タックの魅力のショウケースでした。
いっぽう、パティは「His Eye Is On The Sparrow」をアカペラで披露。かつてローリン・ヒルも歌っていたゴスペル曲ですね。気がつくとそこにタックのギターが入り、ノンストップでビートルズの「Blackbird」に続くあたりのタイミングも絶妙でした。
パティは「こんな困難な時期に私たちのライヴを聴きにきてくれて本当にありがとう」といい、ステージから去りました。「こちらこそありがとう」という声が、客席のあちこちから聞こえてきたのはいうまでもありません。5/21sat.〜ブルーノート東京のステージに登場です。
(原田 2011.5.17)
● 5.21sat.-5.22sun. BLUE NOTE TOKYO
TUCK & PATTI
coming soon