2011.09.24
GORDON GOODWIN’S BIG PHAT BAND
artist GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND
公演初日リポート:GORDON GOODWIN’S BIG PHAT BAND
開演時間の少し前からメンバーが次々とバンドスタンドにあがり、開演と同時にファンキーな演奏が始まります。そして抜群にかっこいいMCが流れます。“6000マイルの距離を越えてやってきたビッグ・ファット・バンド。そのリーダーを紹介しよう、ゴードン・グッドウィン!”。
客席に手をふりながら御大が登場するのですが、ぼくは少々、目を疑ってしまいました。前回来日したときとは、ルックスが別人のようだったからです。そのときは髪の毛をピシッと横わけし、青いシャツに太いネクタイ。英会話学校の先生のように見えました。しかし、今回は髪の毛が短めに刈りそろえられ、よく見るとヒゲも生えています。ブラッド・ピットがもうちょっと円熟したらこうなるんじゃないか、と思えるほど精悍です。「ゴードンって、こんなにイケメンだったのか」と思いました。
演奏も、過去の来日公演よりさらに充実しているように感じられました。観客もオープニング・ナンバーの「THET'S HOW WE ROLL」からガンガン盛り上がり、まるでビッグ・ファット・バンドの一員になったかのように、すばらしくタイミングのいい声援や拍手を送ります。西海岸のファースト・コール・ミュージシャンが揃っている同バンドですが、今回もチック・コリア・エレクトリック・バンド出身のエリック・マリエンサル(アルト・サックス)、元カウント・ベイシー楽団のボブ・サマーズ(トランペット)や驚異のハイノートを聴かせてくれるウェイン・バージェロン、ポンチョ・サンチェスのバンドで出演したこともあるフランシスコ・トーレス(トロンボーン)、元ブライアン・セッツアー・オーケストラのドラマー=バーニー・ドレッセル等の豪華メンバーが、圧倒的にハイテンションなソロを聴かせてくれました。
すっかり人気レパートリーとして定着した「BACKROW POLITICS」も後半に登場しました。ここではトランペット・セクションが大きくフィーチャーされます。いつ聴いても、あまりの超絶技巧に圧倒されてしまうのですが、ただテクニックで驚かせるだけでは終わりません。そこに“笑い”を取り入れて聴き手をさらに楽しい気分にさせるのがビッグ・ファット・バンド流のスタイルです。
どんな風に笑わせるのかは、ぜひ実際のステージを御体験いただきたいのですが、とにかくテンション&リリース、クール&ホットのバランスが心憎いほど見事です。このあたり、さまざまなジャンルの音楽に精通し、エミー賞やグラミー賞を獲得してきたゴードン・グッドウィンならではのセンスというべきでしょう。
(原田 2011 9.23)
参考:2011 9.23 FRI. SET LIST
1ST
1.THET'S HOW WE ROLL
2.SAMBA DEL GRINGO
3.RIPPIN 'N RUNNIN'
4.RHAPSODY IN BLUE
5.IT'S NOT POLITE TO POINT
6.BACKROW POLITICS
7.PLAY THAT FUNKY MUSIC
8.RACE TO THE BRIDGE
9.THE JAZZ POLICE
2ND
1.THET'S HOW WE ROLL
2.HOWDIZ SONGO?
3.RIPPIN 'N RUNNIN'
4.RHAPSODY IN BLUE
5.HUNTING WABBITS 3
6.BACKROW POLITICS
7.RACE TO THE BRIDGE
8.THE JAZZ POLICE
● 9.23fri.-9.25sun.
GORDON GOODWIN’S BIG PHAT BAND
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