2011.10.26
CHICO presents "THE GYPSY PROJECT" featuring MARIO REYES & GYPSIES
artist CHICO , CHICO & THE GYPSIES
公演初日リポート:CHICO presents "THE GYPSY PROJECT"
featuring MARIO REYES & GYPSIES
かつてジプシー・キングスの黄金時代を築き、現在はチコ&ザ・ジプシーズを率いるワールド・ミュージックの重鎮、チコ・ブースキー。彼が新ユニット“チコ&ザ・ジプシー・プロジェクト”を率いて来日、大盛り上がりのステージを繰り広げています。
チコ&ザ・ジプシーズでは、ベーシストがひとりいる以外、全員がギターを弾いていました。しかしチコ&ザ・ジプシー・プロジェクトはパーカッション、キーボード、アコーディオン、ヴァイオリン等もフィーチャーした多彩な楽器構成です。インストゥルメンタル・ナンバーの割合も増え、即興を重視したパートも数多くありました。チコを中心にミュージシャンが一丸となり、鉄壁のまとまりで魅了するのがチコ&ザ・ジプシーズだとすれば、今回のザ・ジプシー・プロジェクトは各演奏家の個人技が堪能できるオールスター・チームといっていいでしょう。
メンバーが黒のコスチュームで統一するなか、チコは白いシャツを着て登場します。決して派手なプレイをすることはありませんが、常にステージ全体に気を配り、視線を注ぎます。今回、特にスポットライトが当てられたのはパッチャイ、マリオ・レイエス、ジョセフ・ゴーティエの3人。いずれもこの世界のビッグ・ネームといっていいでしょう。
パッチャイはチコの横で渾身のギターとヴォーカルを披露しました。細身で小柄な彼ですが、その歌声は野太くワイルドです。いっぽう、ギターが小さく見えるほどの巨体を誇るマリオ・レイエスは繊細な歌声の持ち主で、とくにスロー・ナンバーに魅力を発揮していました。ギター・プレイは超絶技巧そのもの。右利き用の楽器を180度反対に持って(弦は逆に張り替えて)、すさまじい指弾きソロを聴かせてくれました。ジョセフもマリオ同様、左利きですが、彼は左利き用のギターを使用。ステージ中央に大柄なレフティがふたりいるユニットは、チコ&ザ・ジプシー・プロジェクト以外に存在しないのではないでしょうか。
「悲しき天使」、「THOSE WERE THE DAYS」等の別名でも知られる「LE TEMPS DES FLEURS」ではピー・ウィーのヴァイオリンがむせび泣き、チック・コリア作「SPAIN」ではキーボード奏者ホアンのアドリブが会場を沸かせました。ステージ後半ではもちろん「BAMBOLEO」、「DJOBI DJOBA」、「VOLARE」といった定番を披露。前回のジプシーズ公演では、これらの曲はメドレーで演奏されましたが、今回はすべてフル・コーラスです。
パッチャイ、マリオ、ジョセフのリード・ヴォーカルで、黄金のヒット曲を聴く快感。ジプシーズのファンはもちろん、まだチコを生で見たことがないという方も、大喜びすること間違いなしのライヴです。
(原田 2011 10.25)
●10.25tue.-10.26wed.,10.29sat.-10.30sun.
CHICO presents "THE GYPSY PROJECT"
featuring MARIO REYES & GYPSIES
●10.27thu. は恵比寿act squareにて公演
coming soon