2011.12.10
KYLE EASTWOOD
artist KYLE EASTWOOD
公演初日リポート:KYLE EASTWOOD
ベース・テクニック、作曲能力、ルックスの三拍子を兼ね備えた逸材がカイル・イーストウッドです。父親はもちろん、あのクリント・イーストウッド。「若い頃の父親にそっくり」という声もありますが、「いや、カイルのほうがハンサムだ」というファンも多いようです。
今回の公演もトランペット、サックス、ピアノ、ベース、ドラムスという編成で行なわれました。1940年代から続くジャズの典型的フォーマットといっていいでしょう。しかしカイルが3種のベースを使い分け、ドラムスがさまざまなビートを送り出すことで、なんとも新鮮な空気が生まれます。世界各国を旅し、その経験を音楽に生かしてきたカイルならではの音作りといえましょう。
今回の公演は、前回とは若干メンバーが異なりました。トランペットのアレックス・ノリスはバークリー音楽大学出身。グレン・ミラー・オーケストラ、インコグニート、マニー・オケンド&リブレ等、タイプの違ういろんなバンドで働いてきた名手です。ピアノのリック・ジャーマンソンはニューヨークを拠点とするミュージシャンで、パット・マルティーノのバンドには5年間、在籍しました。ソロ・アルバムも3枚発表しています。ドラムスのジョー・ストラッサーはホセ・フェリシアーノ、カート・ローゼンウィンケル等と共演。ストレート・ジャズも、今回のようなフュージョン・タイプのものも自在に叩きわける逸材です。
しかし観客の視線は当然ながら、ステージ中央でベースを弾くカイルに集まります。彼にはやはり、華があります。ステージはアンコールを除き、すべて彼のオリジナルで構成されていましたが、じっと聴いていると「この曲、何の映画のサウンドトラックに使われていたかな」と思えてくるほど、ドラマティックでメロディアスです。父クリントが最近の映画でカイルの音楽を使っているのは、決して身びいきではないはずです。
ラストの「BIG NOISE」は1930年代に全米でヒットした曲ですが、カイルのオリジナルとして認知しているひとも相当数、いるのではないでしょうか。
(原田 2011 12.10)
● 12.10sat.-12.12mon.
KYLE EASTWOOD
coming soon