2012.02.12
TAKE 6
artist TAKE6
公演初日リポート:TAKE 6
待ちに待ったグループの登場です。
ア・カペラ・コーラスの最高峰にして、卓越したエンタテインメント集団であるテイク6が久しぶりに来日してくれました。前身グループの頃から数えると発足30年、テイク6としてのレコード・デビューから数えても25周年になろうという老舗ですが、そのハーモニー、チームワーク、振り付けにはさらに磨きがかかり、「どうしてあんなに見事にハモれるのだろう」、「どうしてあんなにビシッと各メンバーのパートがかみ合うのだろう」と、最初から最後まで驚かされっぱなしでした。
オープニングは、ナット・キング・コールの代表曲である「STRAIGHTEN UP AND FLY RIGHT」。愛娘ナタリー・コールもかつて「ブルーノート東京」で歌っていましたが、こうしたR&B系のスタンダード・ナンバーをサラリとこなすテイク6がまた、なんともいえず粋なのです。目をつぶると、まるでドラマーやベーシストやホーン・セクションもいるように聴こえてきます。しかし目を開けると、そこにいるのは6人の卓越したシンガーたちです。まさしくヴォイス・オーケストラ。すべてを声でまかない、猛烈にスイングし、グルーヴする彼らに降参です。
メンバーそれぞれのキャラクターが立っているのもテイク6の魅力ですが、個人的に釘付けになったのが次の二人です。一貫してベース・パートを担当するアルヴィン・チーアは、ジャズ・ベーシストのクリスチャン・マクブライドに笑顔がそっくり。フレーズ作りも似ているように思いました。
キャップ(帽子)がトレードマークのクリスチャン・デントリーは主に高音パートを歌いますが、その声はむちゃくちゃ艶やかで躍動感があります。しかも無類のモノマネ名人です。ぼくは彼の、“DJがマイケル・ジャクソンのアナログ盤をスクラッチしているところ”のモノマネに、驚き、腹をかかえるほど笑いました。この超絶芸は、彼らを生で見たファンだけが味わえる特典といっていいでしょう。
「SPREAD LOVE」、「SO MUCH 2 SAY」といった初期のレパートリーもしっかり聴かせてくれましたし、名曲満載の近作『The Standard』からミシェル・ルグラン作のバラード「WINDMILLS OF YOUR MIND」も披露されました。デビュー当時なら、彼らがフランス産の歌を取りあげるなんて想像もできなかったに違いありません。しかし今の彼らはそれをごきげんにスイングさせ、見事テイク6・サウンドに料理しています。いったいこのグループは、どこまで凄いエンターテイナーになってゆくのでしょう。
テイク6は本日までブルーノート東京に出演し、14日には「すみだトリフォニーホール」で新日本フィルとの共演を行ないます。「いい歌をとことん味わいたい」、「ハッピーにグルーヴするステージを楽しみたい」という方は、ぜひ足をお運びください。胸がいっぱいになるほどの感動を届けてくれるはずです。「日本のファンに会いたくて、ずっとうずうずしていたんだ」と語るテイク6に、会いに行きましょう!
(原田 2012 2.11)
● 2.11sat.-2.12sun.
TAKE 6
☆ 参考:セットリストはこちら
●2.14tue.
TAKE 6 ジャパン・ツアー2012
"TAKE 6 St. Valentine's day Special"
ジャズ&クラシック・ナイト with 新日本フィル
coming soon