2012.03.18
BEN L'ONCLE SOUL DJ JIN(3.17sat.), MURO(3.19mon.)
artist BEN L'ONCLE SOUL
公演初日リポート:
BEN L'ONCLE SOUL
DJ JIN(3.17sat.), MURO(3.19mon.)
フランス生まれのソウル・マン、ベン・ロンクル・ソウルが待望の初来日を果たしました。フランス・モータウンに所属。国内盤はこれから登場するとのことですが、場内は超満員で補助席が出るほど。客席の反応も圧倒的なまでに良く、誰もが彼の海外盤をみっちり聴いて予習万端でライヴに備えてきたかのようでした。
皆、彼のステージを心から待ちわびていたのです(ベンと同じようなメガネ、蝶ネクタイ、帽子、サスペンダーをしているオーディエンスも見受けられました)。
ベン・ロンクル・ソウル(ソウルおじさんベン)というのは、もちろん芸名です。目の前で見る彼は“おじさん”というよりも青年です。母親が大のソウル・ミュージク・ファンだったので、幼い頃からオーティス・レディング、ジェームズ・ブラウン、ウィルソン・ピケット、サム&デイヴ等を聴いていました。初めて見たライヴはプリンスの公演だったそうです。
身も心もソウル・ミュージックに奪われてしまったベンですが、彼はレコードを集めたりライヴに足しげく通う、いち“音楽リスナー”にとどまることがありませんでした。情熱がこうじて、往年のソウル・ミュージックを意識したナンバーを自作自演するようになり、バンドを組んでステージに立ってしまったのです。そしてソウルの名門、モータウンと契約し、ソウルの伝道師として世界を飛び回って現在に至るのです。
彼のシャウト、ダンス、パフォーマンスにはいろんな先輩ソウル・マンへのリスペクトが感じられます。ジェームズ・ブラウンやオーティス・レディングの映像を繰り返し見て、ひょっとしたら鏡の前に立って彼らの動きをコピーしていたのかもしれませんし、「CRAZY」が、曲想・ダンスともどもアイク&ティナ・ターナー版「プラウド・メアリー」にインスパイアされていることは間違いのないところでしょう。一瞬も休むことなくステージを動きまわり(客席にも乱入し)、オーディエンスを煽り、ユーモラスなMCを繰り広げ、シャウトするベン。「全身全霊」という言葉にふさわしいライヴでした。
バック・メンバーでは左利きのドラマー、ロイック・ジェラルドの的確なビートが印象に残りました。またキーボードのガビン・レシエルは、ワーリッツァー・ピアノ、フェンダー・ローズ、ハモンドB3、ホーナー・クラヴィネット等の音色を再現し、その時代時代のソウル・ミュージックの匂いをふりまくことに大きく貢献していました。
ホーン・セクションではジュリアン・デュシェに、思いっきり驚かされました。なんとトランペットとバリトン・サックスを兼任するのです。トランペットとサックスを両方プレイする奏者はごく稀にいますが、あの大きくて重くて肺活量のいるバリサクをあれほどブリブリ吹きまくるとは(しかも床に寝そべってブロウしていました)。いろんな意味でこの公演は、ぼくにとって衝撃的でした。月曜日(19日)の公演もお見逃しなく!
(原田 2012 2.27)
● 3.17sat. & 3.19mon.
BEN L'ONCLE SOUL
DJ JIN(3.17sat.), MURO(3.19mon.)
☆ 参考:セットリストはこちら
coming soon