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CHICKENSHACK -Reunion Tour-

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CHICKENSHACK - チキンシャック


公演初日リポート:
CHICKENSHACK -Reunion Tour-



1986年にレコード・デビューし、‘95年まで活動を続けた人気ユニット“チキンシャック”が遂に再結成しました。「サックス奏者の土岐英史、ギター奏者の山岸潤史、キーボード奏者の続木徹が、一緒にバンドを組んでいた」ということ自体が信じられない若いファンの方も多いのではないでしょうか。バンドスタンドにはその3人に加え、初期メンバーであるデレク・ジャクソン(ベース、ヴォーカル)、後期メンバーである鶴谷智生(ドラムス)が登場します。十数年のブランクなど、まったく感じさせません。昨日の夜に別れた面々がその翌日に再会するようにごく自然に、彼らのライヴは始まりました。

1曲目「A SILENT LOVE」のイントロから、猛烈な拍手と歓声が巻き起こります。テーマ・メロディが終わる頃にはリズム・セクションの爆裂が始まっていて、デレクは飛び跳ねてベースを弾き、鶴谷も上体を大きく浮かせてシンバルを叩きます。山岸はからだ全体で演奏し、チョーキングするときはギターの弦だけではなく顔も上に引っ張られているような表情をします。それを笑顔で眺めている土岐は、いざ自身のソロになると何かにとりつかれたような入魂のブロウを披露。続木のキーボードからはブルース・フィーリングが滴るかのようです。
続いては、お待ちかねの「TOFU」。このギター・カッティングの小気味よいこと! チキンシャックが始まった頃、日本には数多くのフュージョン・バンドがいました。しかしここまでファンキーでソウルフルな音を出していたグループはなかったと記憶します。結成当時出演していた六本木の「テンプス」にちなんだ「AT TEMPS」も2曲目と同じくファースト・アルバムからのナンバーですね。土岐はカデンツァ(エンディング近く、ひとりで即興演奏する部分)で、ジャズの名曲「ラウンド・ミッドナイト」のメロディを引用しました。本当にチキンシャックは、夜が似合うグループです。

その後もスタイリスティックスのカヴァー「BETCHA BY GOLLY WOW」、デレクと観客がコール&レスポンスをおこなった「SLOW MOTION」(途中、デレクが2代目ドラマーの故マーヴィン・ベイカーの魂に“安らかに”と呼びかけるシーンもありました)等が続き、アンコールでは遂にあの「FLOWERS FOR LENA」が登場。客席の盛り上がりは最大限に達します。なんて艶やかな(エロい)サウンドなんでしょう。からだがとろけていくようです。

ぼくは残念ながら‘80年代の六本木を知りませんし、バブルの恩恵を受けるには幼すぎました。しかしチキンシャックのエキサイティングで魅力的なパフォーマンスは、当時を知るひと、知らないひとの両方を、等しく楽しませてくれるはずです。再始動した彼らが、今後も精力的な活動を繰り広げてくれることを心から望みます。
(原田 2012 3.30)


● 3.30fri.-3.31sat.
CHICKENSHACK -Reunion Tour-
☆ 参考:セットリストはこちら
詳細はこちら

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