2012.05.01
OMARA PORTUONDO & CHUCHO VALDÉS
artist CHUCHO VALDES , OMARA PORTUONDO
公演初日リポート:
OMARA PORTUONDO & CHUCHO VALDÉS
まさかこのふたりのコンビネーションを日本で聴けるとは思いませんでした。永遠の歌姫オマーラ・ポルトゥオンドと、“ザ・ピアノ・マスター”チューチョ・ヴァルデスの共演です。ふたりは、先ごろ『オマーラ & チューチョ』というアルバムを発表したばかり。この日のステージでも、「Babalu Aye」など、同作からの曲を中心に、限りなく芳醇なひとときを味わわせてくれました。
プログラムはまず、チューチョのインストゥルメンタル・ナンバーから始まりました。相変らずの大きなからだ、大きく分厚い手で奏でられるピアノ・サウンドは、とてつもなく煌びやかで、しかも深みがあります。本当に楽しそうに、軽やかにピアノを弾くチューチョですが、そのフレーズは長年のキャリア、そして超人的なテクニックに培われた、とても常人には真似のできない“ウルトラC”級のものです。
オマーラは2曲目の「LLANTO DE LUNA」から登場しました。大きな蝶がデザインされた黒い衣装に身を包んだ姿は、女王の貫禄に溢れていると同時に、どこか母親のような親しみやすさを感じさせます。1930年生まれとのことですから今年で82歳になるのですが、艶やかでよく伸びる歌声はもちろん健在。「遠路はるばる、よくぞ東京まで来てくれました」と、ぼくは心の中で最敬礼しながらオマーラ節に酔いしれました。スケール感豊かな歌唱に接していると、横でピアノを弾いているチューチョすら子供のように感じられるのですから不思議です。
もちろんチューチョ・バンドの面々も繊細きわまりないサポートを聴かせてくれました。
とくにキューバの国旗を楽器の前においてプレイしていたアンドレス・コアヨのキメ細かな演奏ぶりには脱帽です。パーカッションを叩きまくってバンドを盛り上げる奏者はいくらでもいますが、アンドレスは間を効果的に使って、アクセントのように音をおいていきます。そのセンスもまた、この日のライヴの大きな聴きものでした。
公演は5日まで続きます(2日はオフ)。皆様、ぜひいらしてください!
(原田 2012 4.30)
● 4.30mon.-5.5sat. (5.2wed.OFF)
OMARA PORTUONDO & CHUCHO VALDÉS
☆ 参考:セットリストはこちら
coming soon