2012.05.15
RICHARD BONA and MANDEKAN CUBANO with KAZUNORI KUMAGAI
artist RICHARD BONA
公演初日リポート:
RICHARD BONA and MANDEKAN CUBANO
with KAZUNORI KUMAGAI
ベース、ヴォーカル、曲作り・・・・あらゆる面で才能を発揮する人気者リチャード・ボナが、新ユニット“マンデカン・クバーノ”を率いて来日しています。このユニット、名前からもわかるようにキューバ音楽やサルサ寄りのユニットで、なかでもピアニストのオスマニ・パレデスには最注目株という声もあがっています(彼目当てのオーディエンスも少なくなかったようです)。
ボナはアフリカ・カメルーンに生まれ、ヨーロッパで腕を磨き、現在はニューヨークに拠点を置いています。『TIKI』というアルバムでは、さらにブラジル音楽の要素も大きく取り入れておりましたが、彼がここまで真正面から“ラテン”に取り組んだことは“マンデカン・クバーノ”までなかったのではないでしょうか。いつものボナのライヴなら必ずあるはずのキーボード、ギター、ドラムス等がなく、リズムは主にティンバレスとコンガで奏でられ、鍵盤楽器はパレデスが弾くアコースティック・ピアノしかありません。
オープニングは初期のアルバム『Reverence』に入っていた「EKWA MWATO (AFFIRMATION OF THE SPIRIT)」。いきなりデニス・エルナンデスのトランペットが鮮やかなハイノート(超高音)を繰り出します。ふたりのパーカッション奏者のプレイが絶妙に絡み合い、ボナの5弦ベースが唸りをあげると、この曲がまるで大昔からのラテン・スタンダード・ナンバーのように聴こえてきます。そして今回のステージの大きな特徴は、全曲でボナのヴォーカルが聴けたことです。「BOLERO」ではベースから手を離して椅子に座り、ピアノとのデュオで絶品のバラードを聴かせてくれました。
ボナ最大の人気曲といっていい「O SEN SEN SEN」が途中まで奏でられた後、ボナのMCに導かれてスペシャル・ゲストの熊谷和徳が登場します。赤いコスチュームは、この夜の情熱的なサウンドにぴったりです。超絶的なフレーズを、バンドのメンバーと共に鮮やかなユニゾンでキメていく熊谷のタップ技に改めて脱帽させられました。プログラム後半では、ボナと熊谷によるまったくの即興パフォーマンスも楽しむことができました。「以前から互いに関心を持っていた」という両者が、この共演によって真の友人関係を築いたことは間違いのないところでしょう。
公演は本日も行なわれます。この公演でラテン音楽〜サルサにハマった方には、9月に開催されるエディ・パルミエリ・サルサ・オーケストラの公演もぜひお勧めいたします。
(原田 2012 5.14)
● 5.14mon.-5.15tue.
RICHARD BONA and MANDEKAN CUBANO
with KAZUNORI KUMAGAI
☆ 参考:セットリストはこちら
coming soon