2012.08.06
THE LEGENDARY COUNT BASIE ORCHESTRA with special guest KEIKO LEE
artist COUNT BASIE ORCHESTRA , KEIKO LEE
公演初日リポート:
THE LEGENDARY COUNT BASIE ORCHESTRA
with special guest KEIKO LEE
ことしでなんと、結成77年目。ビッグ・バンド・ジャズの基本を形作り、今なお休むことなく活動を続けるカウント・ベイシー・オーケストラが、真夏のブルーノート東京をスインギーに彩っています。
今回のコンダクターは、テナー・サックス奏者のダグ・ミラー。ジョー・ヘンダーソンに奏法を師事し、その後バークリー音楽大学、ニューイングランド音楽院でも学びました。ベイシー・オーケストラには1989年から在籍し、そのほかジョージ・ラッセル、ライオネル・ハンプトン等のオーケストラでも演奏経験があります。これまでの歴代コンダクターはステージ中央に立って指揮をしていましたが、ダグはいつものようにサックス・セクションに陣取り、その場所から立ってメンバーに指示を与えます。またMCはトランペット奏者のスコッティ・バーンハートが一貫して担当しました。
デニス・マクレルが指揮していた頃と比べると、より1950年代のレパートリーに比重が置かれていたような気がします。伝統的なカンザス・シティ・スイングにモダン・ジャズの要素を加えた、いわゆる“新約聖書バンド”時代に立ち返ったようなサウンドを楽しむことができました。クリーヴ・ガイトンのフルートをフィーチャーした「CUTE」、バンドが一丸となって火の出るようなプレイを繰り広げる「THE KID FROM RED BANK」、サックス奏者アーニー・ウィルキンス書き下ろしの傑作「16MEN SWINGING」など、ベイシー・ファンなら誰でも知っているであろう古典が、目の前で鮮やかに再生されてゆくのは、とにかく快感というしかありません。
中盤ではスペシャル・ゲストのケイコ・リーが、万雷の拍手に迎えられて登場しました。ベイシー楽団と共演したシンガーを振り返れば、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエ、フランク・シナトラ、トニー・ベネットなど錚々たる面々の名が挙がります。そこにケイコ・リーも日本代表として名を連ねたわけです。演目は「NIGHT AND DAY」を始めとするスタンダード・ナンバーばかり。「こんな素敵なバンドをバックに歌えるなんて、本当に気持ちいいだろうな」と思いました。
後半にはもちろん、おなじみの「ONE O'CLOCK JUMP」や「APRIL IN PARIS」も登場しましたが、「ONE O'CLOCK JUMP」をエンディング・テーマ扱いで数コーラスだけ演奏するのではなく、各人のアドリブをフィーチャーしながらたっぷりと聴かせてくれたのも嬉しかったですね。品質は保証つき、いつもゴキゲンなベイシー・サウンドをライヴで聴いて猛暑を吹き飛ばしましょう!
(原田 2012 8.5)
● 8.5sun.-8.7tue.
THE LEGENDARY COUNT BASIE ORCHESTRA
with special guest KEIKO LEE
☆ 参考:セットリストはこちら
coming soon