2012 9.14 fri. - 9.15 sat.
FREDDIE McGREGOR with BIG SHIP BAND from Jamaica Guest DJ/Selector: COJIE from MIGHTY CROWN
artist FREDDIE McGREGOR
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ジャマイカを代表する、いや、もはや地球が誇るレゲエ・アンバサダーといっていいでしょう。偉大なるフレディ・マクレガーが、ジャマイカ独立50年という記念すべき節目に、ついにブルーノート東京に登場しました。
「1985年に初来日して以来、ずっと日本が大好きなんだ」。乗りに乗るフレディはステージの端から端まで動き回って歌い、最後列のオーディエンスにも目線を送り、ときには観客と握手したり、一緒に歌ったり、MCで煽ったりと、とにかく一瞬も休むことがありません。青いシャツが汗でどんどん濡れていきます。まさに全身全霊をこめたパフォーマンスです。
フレディのヴォーカルは本当に艶っぽく、しかも並外れた声量に恵まれています。今年で活動49周年とのことですが(7歳から活動しているのです)、歌声のテンションをここまで長期間、保ち続けているのは奇跡に近いことだと思います。90分を超えるステージを聴かせてくれましたが、歌えば歌うほど更にエンジンがかかってくるというか、放っておけば一晩中でも歌い続けていそうなほどエネルギッシュなのには圧倒させられました。MCやヴォーカルの、"ここぞ!"というときに強くかかるエコー(ディレイ)も、むちゃくちゃかっこよかったです。
選曲もまた、ファンの心を直撃するものでした。ヤング=ホルト・アンリミテッドの「SOULFUL STRUT」のレゲエ版というべき「THAT GIRL」、スカの時代から愛されている「CARRY GO BRING COME」を歌ってくれたことが個人的にはうれしかったのですが、大ヒット曲「BOBBY BOBYLON(Bobby Babylon)」から切なげな「AND SO I WILL WAIT FOR YOU」 への流れも完璧! しかも途中では「偉大な兄弟、ジャマイカの誇り」とデニス・ブラウンやボブ・マーリーの名前をあげ、彼らのヒット曲もカヴァーして喜ばせてくれました。もちろん新作『FREDDIE DI CAPTAIN』からの曲も たっぷり。「満腹感」のひとことに尽きるステージでした。
アンコールが終了した後も、観客の拍手と声援はやみません。フレディはファンのいるところを丁寧にまわり、感謝を伝えます。結果、客席は即席の握手会、ハグ会の会場となりました。東京公演は本日まで。17日には「名古屋ブルーノート」に登場します。東京公演に来られない方も、名古屋まで遠征する価値は大いにあると思います。
(原田 2012 9.14)