2012 12.28 fri. - 2013 1.2 wed. (1.1tue. OFF)
NILE RODGERS & CHIC
artist NILE RODGERS & CHIC
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
2012年も楽しいこと、面白いこと、つらかったことなどなど、たくさんの出来事がありました。楽しさ、面白さを何倍にも増幅して、つらさや悲しさを吹き飛ばしてくれるライヴが、「ブルーノート東京」の年末年始を飾ります。ナイル・ロジャース&シックのステージです。
このところずっと、桜の季節に来日していた彼らですが、その時のMCでナイルは「今度は年末年始に帰ってくるよ!」と力強く宣言しました。そして今、彼は東京で、完全燃焼を繰り返しています。さすが有言実行の男、ナイルです。
「今日の曲はすべて私が書いて、プロデュースしたビッグ・ヒットばかりなんだ」というトークは、いまや定番といっていいでしょうが、もちろんその言葉に偽りはありません。世界的というか地球的というか、とにかく一世を風靡したナンバーが出るわ出るわ・・・。マドンナに提供した「LIKE A VIRGIN」、ダイアナ・ロスに提供した「I'M COMING OUT」、 デュラン・デュランに提供した「NOTOROIUS」、シックを象徴する「LE FREAK」、「GOOD TIMES」等、有名曲が次から次へと、惜しげもなく飛び出します。
ひょうきんなキャラクターを持ったドラマーのラルフ・ロールがコクのある歌声を聴かせるデヴィッド・ボウイのカヴァー「LET'S DANCE」における場内の盛り上がりも、ハンパではありません。もちろんナイルのファンキーなギター・カッティングは「常に」といっていいほど炸裂を続け、そこにラルフの強靭なドラムス、ジェリー・バーンズの骨太なスラッピング・ベースが絡み合ったときの快感は、とうてい言葉にすることができません。
厚みのあるホーン・セクション、けっして前面に出ることはないものの、サウンドの要をしっかり押さえているキーボード。そしてどんなタイプの曲も歌いこなしてしまう女性シンガーたち。ナイルは本当に良いバンドを率いているなあと、いつもながら思います。あまりのボルテージの高さに、ぼくは「初日からこんなに飛ばしちゃっていいのか」と圧倒されてしましたが、来たるカウントダウン、ニューイヤーに向けて、ナイル・ロジャース&シックのパフォーマンスはさらに熱を帯びていくことでしょう。
彼らのファンキー・サウンドに体を揺らしながら、2012年を笑顔で見送り、2013年を思いっきりポジティヴに迎えようではないですか!
(原田 2012 12.28)