2013 2.22 fri. - 2.25 mon.
FOURPLAY
artist FOURPLAY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
常に高品質のサウンドを届けてくれる、安心・安定のコンテンポラリー・ジャズ〜フュージョン・ユニットがフォープレイです。20年以上、この世界のトップを走り続けている彼らですが、今回の公演にはいつにも増して大きな話題が加わっています。
ひとつはギタリストのチャック・ローブが最新作『Esprit de Four』に提供した「December Dream」がグラミー賞にノ ミネートされたこと。そしてもうひとつは、ケガで療養中のハーヴィー・メイソンに替わってクラレンス・ペンがドラマーを務めたことです。
クラレンスは1968年に生まれ、'90年代に頭角を現しました。年齢から考えてフュージョン全盛期をリアルタイムで体験していないとは思いますが、彼の、なんともいえないウネリのあるドラミングはフォープレイの楽曲に新たな躍動感を加えると共に、ボブ・ジェームスやチャックのアドリブ・ソロに確実にインスピレーションを与えていました。代役の域を超えた活躍ぶりに、ぼくはすっかり嬉しくなりました。
オープニングはその「December Dream」から始まります。チャックはアコースティックとエレクトリック両方のギターを使い分け、ボブは流れるようなピアノ・プレイで貫禄を示します。ステージ上の配置は左からボブ、ネイザン・イースト、チャック、クラレンスの順ですが、中盤、ギターとピアノのデュオ・パートではチャックがボブのそばに来て、顔を見合わせながら寄り添うように演奏します。そして照明は、ふたりをスポットライトで浮かび上がらせます。ことさらグラミー賞ノミネートが大きな励みになったというわけでもないでしょうが(なにしろ百戦錬磨のベテラン・スター・ギタリストなのですから)、この日のチャックはひときわ精彩にあふれ、ひとつひとつのフレーズから貫禄と自信が伝わってくるようでした。
続いて、古くからのファンにはとても懐かしい「Max-O-Man」。ファースト・アルバムのために、ハーヴィーが書き下ろした曲ですね。イントロから場内が沸き、手拍子が巻き起こります。クラレンスの歯切れよいドラムス、ネイザンの地響きを立てるベース。今なお、この曲はライヴのごとに進化をとげています。この曲が終わった後、MCが入りました。「今日はハーヴィーのバースデイなんだ。家で静養している彼に、誕生日おめでとうと伝えようじゃないか!」。そして「Happy Birthday To You」がワン・コーラス、メンバーと オーディエンスの合唱で披露されました。
ネイザンの滑らかなヴォーカルは「All I Wanna Do」でフィーチャーされ、'80年代フュージョン・サウンドとジョン・コルトレーンの「Giant Steps」を混ぜ合わせ、さらに「Sunny」風のアドリブ・ パートを用いた「Sonnymoon」では4人の持つ技量の高さを、これでもかと見せ付けられる思いでした。「穏やか」「室内楽的」ともいわれるフォープレイですが、燃えるときは燃え上がります。
ラストは、全オーディエンス待望の定番「Bali Run」。毎年のように新作を発表しても、往年の十八番を忘れることなくずっと演奏してくれるのがフォープレイのいいところですね。ファンが何を求めているか、彼らはわかりきっているのでしょう。そしてファンも、フォープレイ独特のテイストを繰り返し味わいたくて、ライヴに何度も足を運ぶのです。
(原田 2013 2.22)
2013 2.22 FRI.
1st | |
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1. | DECEMBER DREAM |
2. | MAX-O-MAN |
3. | CHANT |
4. | PUT OUR HEARTS TOGETHER |
5. | SONNYMOON |
6. | ALL I WANNA DO |
7. | 3RD DEGREE |
8. | BALI RUN |
2nd | |
1. | DECEMBER DREAM |
2. | MAX-O-MAN |
3. | CHANT |
4. | GENTLE GIANT |
5. | SONNYMOON |
6. | ALL I WANNA DO |
7. | 3RD DEGREE |
8. | BALI RUN |