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ROY HARGROVE & his RH FACTOR BAND featuring Bobby Sparks, Renée Neufville + more

artist ROY HARGROVE

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

ブルーノート東京の常連アーティストの一人、ロイ・ハーグローヴ。近年は自身のクインテット(5人編成のバンド)やビッグ・バンドで、アコースティック・ジャズの魅力を伝えてくれることが多かったですが、今回はファンク~R&B系ユニット"RHファクター"による2003年9月以来の公演。さらに期待が高まるというものです。

いつもオシャレなロイは、今回もベストドレッサーぶりを発揮しています。キラキラ光る上着とズボンに、網目の入ったインナー。サングラスも帽子もビシッと決まっています。アコースティック・ジャズをプレイするときの、スーツとネクタイでビシッと決めた姿とはまた違う、ワイルドな雰囲気がいいですね。トランペットの先にはコンタクト・マイクをつけ、ときにはエフェクターを踏み込んで熱演。

巨漢のアルト・サックス奏者ブルース・ウィリアムスはアコースティック・ジャズ界でも高く評価されている逸材ですが、こうしたファンクをプレイすると、アーティストというよりも"あんちゃん"と呼びたくなるような親しみやすさが沸いてきます。

ステージ前半は、管楽器をフィーチャーしたインストゥルメンタル・ナンバーが続きます。リーダーの苗字をもじった「Hard Groove」、フェラ・クティのアフロビートを思わせる「Rich Man's Welfare」、ロイがステップを踏みながら演奏する「Strength」など、CDに入っているお馴染みのナンバーが次々と目前で演奏されていくのは、快感のひとことに尽きます。

ボビー・スパークス(先日、クラーク=デューク4で来日しました)、実弟ブライアン・ハーグローヴ、そしてリネー・ヌーヴィルがそれぞれ異なる種類のキーボードを弾き、サウンドにさらに厚みを付け加えていたのも聴きものでした。

中盤からはリネーのヴォーカルが大きくフィーチャーされます。豊かな声量、都会的で何とも憂いのある節回し。CDでは数多くのシンガーをゲストに迎えているRHファクターですが、「Juicy」、「Forget Regret」あたりをナマで聴くと、このバンドの歌手にはリネーこそ最適、と言い切りたくなります。

プログラム後半では、ロイもリード・ヴォーカルをとる場面が増えてきます。Pファンクの定番「One Nation Under A Groove」やスライ&ファミリー・ストーン「Sing A Simple Song」等をメドレーで歌い、演奏したあと、「Hold On」をファンキーにシャウトし、振り付けつきの「I'll Stay」では他のメンバーと共にジャンプしながらトランペットを吹き鳴らしました。

エリカ・バドゥ、ディアンジェロ、ラファエル・サディーク等とも親しいロイですが、ぼくがこの日のRHファクターを聴いて思い浮かべたのは故ドナルド・バードが'70年代に率いていたファンク系バンド"ブラックバーズ"です。バードは40歳のときにアルバム『Black Byrd』を発表しました。現在43歳のロイが、今後RHファクターと共にどんな世界を見せてくれるのか? アコースティック・ジャズ路線もいいですが、RHファクター名義でのニュー・アルバムも俄然、楽しみになってきます。
(原田 2013 2.26)

SET LIST

2013 2.26 TUE.
1st
1. HARDGROOVE
2. RICH MAN'S WELFARE
3. STRENGTH
4. THE JOINT
5. QUIET DECEMBER
6. JUICY
7. ON THE ONE
8. FORGET REGRET
9. LENNY STALLWORTH SOLO
10. I'LL STAY
11. FUNK MEDLEY
12. HOLD ON
2nd
1. HARDGOOVE
2. RICH MAN'S WELFARE
3. CAN'T STOP
4. STRENGTH
5. THE JOINT
6. QUIET DECEMBER
7. JUICY
8. ON THE ONE
9. FORGET REGRET
10. LENNY STALLWORTH SOLO
11. FUNK MEDLEY
12. BULLSHIT
13. I'LL STAY
14. HOLD ON
15. ROCK JOINT
16. LOVE IS THE ONLY WAY

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