2013 2.26 tue. - 2.28 thu.
ROY HARGROVE & his RH FACTOR BAND featuring Bobby Sparks, Renée Neufville + more
artist ROY HARGROVE
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ブルーノート東京の常連アーティストの一人、ロイ・ハーグローヴ。近年は自身のクインテット(5人編成のバンド)やビッグ・バンドで、アコースティック・ジャズの魅力を伝えてくれることが多かったですが、今回はファンク~R&B系ユニット"RHファクター"による2003年9月以来の公演。さらに期待が高まるというものです。
いつもオシャレなロイは、今回もベストドレッサーぶりを発揮しています。キラキラ光る上着とズボンに、網目の入ったインナー。サングラスも帽子もビシッと決まっています。アコースティック・ジャズをプレイするときの、スーツとネクタイでビシッと決めた姿とはまた違う、ワイルドな雰囲気がいいですね。トランペットの先にはコンタクト・マイクをつけ、ときにはエフェクターを踏み込んで熱演。
巨漢のアルト・サックス奏者ブルース・ウィリアムスはアコースティック・ジャズ界でも高く評価されている逸材ですが、こうしたファンクをプレイすると、アーティストというよりも"あんちゃん"と呼びたくなるような親しみやすさが沸いてきます。
ステージ前半は、管楽器をフィーチャーしたインストゥルメンタル・ナンバーが続きます。リーダーの苗字をもじった「Hard Groove」、フェラ・クティのアフロビートを思わせる「Rich Man's Welfare」、ロイがステップを踏みながら演奏する「Strength」など、CDに入っているお馴染みのナンバーが次々と目前で演奏されていくのは、快感のひとことに尽きます。
ボビー・スパークス(先日、クラーク=デューク4で来日しました)、実弟ブライアン・ハーグローヴ、そしてリネー・ヌーヴィルがそれぞれ異なる種類のキーボードを弾き、サウンドにさらに厚みを付け加えていたのも聴きものでした。
中盤からはリネーのヴォーカルが大きくフィーチャーされます。豊かな声量、都会的で何とも憂いのある節回し。CDでは数多くのシンガーをゲストに迎えているRHファクターですが、「Juicy」、「Forget Regret」あたりをナマで聴くと、このバンドの歌手にはリネーこそ最適、と言い切りたくなります。
プログラム後半では、ロイもリード・ヴォーカルをとる場面が増えてきます。Pファンクの定番「One Nation Under A Groove」やスライ&ファミリー・ストーン「Sing A Simple Song」等をメドレーで歌い、演奏したあと、「Hold On」をファンキーにシャウトし、振り付けつきの「I'll Stay」では他のメンバーと共にジャンプしながらトランペットを吹き鳴らしました。
エリカ・バドゥ、ディアンジェロ、ラファエル・サディーク等とも親しいロイですが、ぼくがこの日のRHファクターを聴いて思い浮かべたのは故ドナルド・バードが'70年代に率いていたファンク系バンド"ブラックバーズ"です。バードは40歳のときにアルバム『Black Byrd』を発表しました。現在43歳のロイが、今後RHファクターと共にどんな世界を見せてくれるのか? アコースティック・ジャズ路線もいいですが、RHファクター名義でのニュー・アルバムも俄然、楽しみになってきます。
(原田 2013 2.26)
2013 2.26 TUE.
1st | |
---|---|
1. | HARDGROOVE |
2. | RICH MAN'S WELFARE |
3. | STRENGTH |
4. | THE JOINT |
5. | QUIET DECEMBER |
6. | JUICY |
7. | ON THE ONE |
8. | FORGET REGRET |
9. | LENNY STALLWORTH SOLO |
10. | I'LL STAY |
11. | FUNK MEDLEY |
12. | HOLD ON |
2nd | |
1. | HARDGOOVE |
2. | RICH MAN'S WELFARE |
3. | CAN'T STOP |
4. | STRENGTH |
5. | THE JOINT |
6. | QUIET DECEMBER |
7. | JUICY |
8. | ON THE ONE |
9. | FORGET REGRET |
10. | LENNY STALLWORTH SOLO |
11. | FUNK MEDLEY |
12. | BULLSHIT |
13. | I'LL STAY |
14. | HOLD ON |
15. | ROCK JOINT |
16. | LOVE IS THE ONLY WAY |