2013 3.6 wed
GREGORY PORTER
artist GREGORY PORTER
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
声も体格もスケールも、"ビッグ"のひとことに尽きます。要注目のシンガー、グレゴリー・ポーターが遂に初来日公演を果たしました。客席にはミュージシャンやDJも多数、いらしていたようです。
出身はカリフォルニア州ですが、現在はニューヨーク・ブルックリンに住んでいます。これまでウィントン・マルサリスやヒューバート・ロウズなど著名ジャズ・ミュージシャンと共演する一方で、ミュージカルやテレビでも活躍してきました。影響を受けたシンガーにはナット・キング・コール、ダニー・ハサウェイ、マーヴィン・ゲイ他の名前をあげています。「あなたはジャズ・シンガーですか? R&Bシンガーですか?」の問いには、「私はどう呼ばれようと構わない。私がすることは、心をこめて歌を歌うことだけだ」と返してくれました。
グラミー賞にノミネートされたデビュー作『Water』、そして『Be Good』からのナンバーを中心にしたステージは、まさしく現時点での"ベスト・オブ・グレゴリー・ポーター"というべきもの。日本のファンに、自身が持っている魅力のすべてを伝えようと考えたのでしょう、選曲・内容ともに気合が入っていました。バック・メンバーはいずれもマンハッタン149丁目、ハーレム地区のクラブ「セント・ニックス・パブ」(現在は閉鎖中)で知り合った仲間たち。
彼らの息の合った伴奏を得て、スロー→アカペラ→16ビートという3部構成で繰り広げられた「Work Song」、ウェイン・ショーターの曲に歌詞をつけて猛烈なテンポで歌う「Black Nile」、オリジナル曲「On My Way To Harlem」(ピアニストのチップ・クロフォードがフォー・トップス の「It's The Same Old Song」や「Reach Out (I'll Be There)」等のメロディを引用していました)などなど、グレゴリーは1曲1曲に魂を封じ込めるかのような熱唱を聴かせてくれました。
多くの音楽ファンに彼の名を知らしめた「1960 What?」は、ラスト近くに登場。スタンド・マイクの前に仁王立ちしながら、大きな手でハンドクラップしながら歌うグレゴリーの姿は貫禄に溢れていました。
きくところによるとグレゴリーは先日ユニバーサル・フランスと契約、この春からサード・アルバムの制作にとりかかるそうです。彼の名声がさらにワールドワイドに高まっていくのは確実でしょう。公演は明日、「コットンクラブ」でも開催されます。
(原田 2013 3.6)
2013 1.30 wed.
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