2013 4.22 mon. - 4.24 wed.
CLAUDE McKNIGHT from TAKE6 with KIRK WHALUM & BAND
artist CLAUDE McNIGHT , KIRK WHALUM
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
テイク6のクロード・マックナイトが、カーク・ウェイラムと共演!
これは大ニュースといえましょう。ふたりの音楽のファンであれば、「このセッション、絶対にうまくいく」と思うのは当たり前。そこにライヴならではの熱気や迫力が加味され、とにかくひたすらわくわくする瞬間が続くのが今回のステージなのです。
オープニングはカーク・ウェイラム・バンドによる演奏です。カークといえばグラミー賞に輝くフュージョン~スムース・ジャズの大物。こうした音楽に取り組むサックス奏者というと、ぼくは一方的に"アルト・サックスにメタルのマウスピース"というイメージを持ってしまうのですが、カークはテナー・サックスにエボナイトのマウスピースをつけて演奏します。背丈はそれほど大きくありませんが(170センチ台前半だと思います)、サウンドはビッグです。循環呼吸(鼻で息を吸いながら口で休みなく吹き続ける)も用いたテクニックにも圧倒されました。
"ヴォイス・オン・トップ!"(最高峰のヴォーカリスト)というカークの紹介に導かれ、クロード・マックナイトが登場します。スーツにネクタイでビシッと決め、ソロ・シンガーとして舞台に立つ彼には、テイク6で歌うときとはまた違う重厚な風格が感じられます。今回、彼がとりあげた曲は、少年時代から親しんできたフェイヴァリット・ナンバーが中心。ドゥービー・ブラザーズ「What A Fool Believes」、アル・ジャロウ「My Old Friend」、ボビー・コールドウェル「What You Won't Do For Love」等が、次々と"クロード・マックナイト節"で表現されていきます。心から愛する曲の数々を、極上のバンドで歌うクロードは本当に気持ちよさそうです。もちろんカークも、オブリガートにソロに大活躍しました。
様々なビッグ・スターと共演を重ねてきたカークですが、そのハイライトのひとつは、間違いなくホイットニー・ヒューストン・バンドへの加入だったと思います。映画「ボディガード」の撮影にもバンド・メンバーの一員として参加したそうです(残念ながら写っていないそうですが)。そこで使われ、世界的に大ヒットした「I Will Always Love You」でサックスを吹いて いるのもカークです。この日も、彼はこの曲を、しっとりとプレイしてくれました。まるで肉声のようなサックスの音色に、すべてのファンがホイットニーの歌唱を重ね合わせたことでしょう。
公演は24日まで続きます。「私にとってバンドやオーディエンスはファミリーなんだ」と語るカーク。我々もぜひ、「ファミリー」の仲間入りをしようではありませんか。
(原田 2013 4.22)
2013 4.22 mon.
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