2013 5.10 fri. - 5.11 sat.
ROBBEN FORD -Bringing It Back Home- Japan Tour 2013
artist ROBBEN FORD
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ブルースとギターへの愛がほとばしるステージ。人気者ロベン・フォードがニュー・アルバム『ブリンギング・イット・バック・ホーム』を携えて、白熱のライヴを繰り広げています。
今回の公演は彼のギター&ヴォーカルのほかに、トロンボーン、ハモンド・オルガン、ベース(アコースティック)、ドラムスという異色の編成。ハモンドはデヴィッド・サンボーンのバンドでもおなじみの名手、リッキー・ピーターソンが担当しています。ロベンは通常、エレクトリック・ベースを起用することが多いのですが、ブライアン・アレンは全曲をアコースティック・ベースで演奏しました。そのためか、今回のロベンのステージは、いつもよりもさらにリズムに弾力性が増していたように感じられます。
オープニングは新作からの「Everything I Do Gonh Be Funky」。1960年代にアラン・トゥーサンが書き、リー・ドーシーの歌でヒットしたナンバーです。ジャズ 界隈ではルー・ドナルドソンがとりあげていましたが、この曲、ロベンにもとても似合っています。「オレがやることはなんでもファンキー」、ロベンがそう歌うと、ものすごい説得力です。
ロベンはどの曲でも、基本的に手を休めません。リード・ヴォーカルとリード・ギターを兼ねているので、ほぼ常にステージの中央に立っています。トロンボーンやオルガンのソロのバックでも、実に繊細なコード(和音)・カッティングで演奏を盛りたてます。リッキーがオルガンで繊細なトーンを出すと、ロベンもピック弾きから指弾きに変えて、寄り添うような響きを出します。こんなギターにサポートされたら、ソリストは気持ちよくて、いつまでも弾き続けることができるはずです。
アルバム『トゥルース』からの「Too Much」(甥のゲイブリエル・フォード作)、『スーパーナチュラル』からのマイナー・ファンク・ブルース「Nothing To Nobody」、マイケル・ランドウらと組んでいた "レネゲイド・クリエイション"のレパートリー「All Over Again」等、ロベン・ファンなら「これが聴きたかった」というに違いない曲も次々とプレイされました。ギター、トロンボーン、ベースが同じリフ(短いフレーズ)をユニゾンで演奏する「Fairchild」の迫力も、圧巻という言葉に尽きます。
公演は本日まで「ブルーノート東京」、その後「コットンクラブ」でも行なわれます。さらにコクを深めたロベン・フォードのブルースを、どうかご満喫ください!
(原田 2013 3.26)
2013 1.30 wed.
1st 2nd |