2013 6.11 tue. - 6.12 wed.
SNARKY PUPPY -World tour 2013- [BROOKLYN PARLOR presents "GOOD MUSIC PARLOR" LIVE at BLUE NOTE TOKYO]
artist SNARKY PUPPY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ジャンルやカテゴリーにこだわらず、才能ある気鋭のライヴをリーズナブルな価格でお届けするシリーズ「Good Music Parlor」。
その最新アーティストとして、スナーキー・パピーが「ブルーノート東京」のステージに登場しています。"不機嫌な子犬"というユニークなグループ名を持つ彼らは2004年、テキサス州デントンで結成され、現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動中です。リーダーはベース奏者のマイケル・リーヴ。
構成員はおよそ30名からなり、ライヴやレコーディングごとにその中から7~8名が選抜されるというシステムをとっています。ちなみにこの来日公演は2トランペット(ひとりはキーボード兼用)、テナー・サックス、ギター、キーボード、ドラムス、パーカッション、そしてマイケルのベース兼キーボードという編成で行なわれました。
「日本に来ることはもちろん、アジアで演奏することも初めてなんだ」とマイケルはMCで語っていましたが、スナーキー・パピーの来日は、耳ざといファンの間ではかなり前から切望されていました。2010年にローパドープ・レーベルから出した『Tell Your Friends』は我が国でも大きな話題を呼びましたし、2012年のアルバム『groundUP』がエスペランサ・スポールディング、ロバート・グラスパー、マーカス・ミラー等の作品と並んで米国iTunes Jazz Chartの「ベスト・ジャズ・アルバム賞」に選ばれたのもよく知られていることでしょう。
ぼくが行ったのは初日のファースト・セットですが、1曲目の出だしの数小節で彼らは直ちに日本のファンの心をつかみ、「ブルーノート東京」を自分たちの庭のひとつにしてしまった、といっても過言ではありません。名門ノース・テキサス大学(伝説のビッグ・バンド・リーダーであるスタン・ケントンやバディ・リッチは、いつもここの卒業生を抜擢していたそうです)
出身のメンバーが核になっているというだけあって、アンサンブルの精度が実に高く、リズムはタイトで複雑なキメもビシッと決まります。楽曲はマイケル自身が「jafunkadansion」(ジャズ+ファンク+ダンス+フュージョン)と表現しているように、1曲の中にさまざまな要素が同居しています。相当、緻密なリハーサルが繰り返されたのではないかと想像するのですが、ステージでの彼らはあくまでも堅苦しさ抜きに、ジャム・セッション的な乗りすらのぞかせて、難曲を次々とこなしていきます。
「Brain(脳)とBooty(お尻)の両方を動かす音楽が目標」と語るスナーキー・パピー。本日も彼らは全力投球の演奏で、ブルーノート東京にやってくるオーディエンスを迎えてくれることでしょう。
(原田 2013 6.9)