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PABLO ZIEGLER NEW YORK QUARTET

artist PABLO ZIEGLER

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


伝説のアストル・ピアソラ五重奏団で活躍し、ラテン・グラミー賞にも輝いているマエストロ。それがパブロ・シーグレルです。大の親日家でもあり、コンサート・ホールでの演奏は毎年のように行なわれていますが、今回は待望のクラブ公演です。粒立ちの良い彼のピアノ・タッチを、より身近に感じることのできる貴重な機会です。

パブロは1944年、アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれました。米国のピアニストではチック・コリアとキース・ジャレットの中間の世代にあたります。ピアソラの許には'78年から'89年まで在籍しました。「クラシックのウラジーミル・ホロヴィッツとジャズのビル・エヴァンスが、タンゴで出会った」と形容されるプレイには、ライヴを体験した誰もが圧倒されることでしょう。

楽器編成はパブロのピアノに、バンドネオン、エレクトリック・ギター、コントラバス。プログラムはほとんど彼の自作曲で綴られました。過去の来日公演でピアソラ・ナンバーはたっぷり披露してきたから、ということなのでしょうか。ですが、おかげでぼくはパブロの優れた作曲能力、メロディ・メイカーぶりを満喫することができました。ピアソラに捧げた「Milonga del Adios」、ギターのクラウディオ・ラガッツィ(かなりジョン・スコフィールドに傾倒しているようです)とのデュオで演奏された「Pajaro Angel」、ブラジルのバイアォン風のリズムも飛び出す「La Rayuela」などが、真夏の温度をそっと下げていきます。

伝統的なジャズのテーマ→アドリブ→テーマ、ソリスト/伴奏というパターンとは違い、メンバー全員が同時にソロを取るように演奏し、躍動感を高めていく演奏スタイルが痛快でした。終盤近くでは、もちろんピアソラ・ナンバー「Chin Chin」、「Libertango」もプレイされました。ジャズとタンゴが融合する魅力的なステージは、本日も行なわれます。
(原田 2013 7.13)

SET LIST

2013 7.12 FRI.
1st
1. ONCE AGAIN... MILONGA
2. LA CUMPARSOLA
3. LA FUNDICION
4. BLUES PORTENO
5. LA RAYUELA
6. ELEGANTE CANYENGUITO
7. BUENOS AIRES REPORT
8. MUCHACHA DE BOEDO
9. CHIN CHIN
10. LIBERTANGO
2nd
1. ONCE AGAIN... MILONGA
2. ALREDEDOR DEL CHOCLO
3. MILONGA DEL ADIOS
4. BUENOS AIRES REPORT
5. PAJARO ANGEL
6. LA RAYUELA<
7. LA CONEXION PORTENA
8. MUCHACHA DE BOEDO
9. CHIN CHIN
10. LIBERTANGO

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