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Quincy Jones The 80th Celebration Live Gala Party

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


アメリカを代表する、いや、世界の頂点に立つ名プロデューサーであるクインシー・ジョーンズが、1981年の武道館公演以来、32年ぶりに日本で自己名義のライヴを行ないました。彼が初来日したのは1962年のことですから、もう51年も前です。そのときは公演せず、もっぱら市場調査(彼は当時、レコード会社の副社長でした)に飛び回っていたそうですが、「あのときに泊まったホテルオークラが今もあるのはすごいね」とMCで語っていました。

近年のクインシーは、今まで以上に若手ミュージシャンの発掘に力を入れています。'60年代からレスリー・ゴーア、パティ・オースティン、ブラザーズ・ジョンソン、テヴィン・キャンベルなど数多くの逸材を世に送り出してきた彼の"慧眼"は健在のようです。キューバ出身のアルフレッド・ロドリゲス(ピアノ)、スロヴァキア生まれの16歳、アンドレアス・ヴァラディ(ギター)、わずか11歳の若さにして大統領の前で演奏した経験も持つエミリー・ベアー(ピアノ)、クラーク・テリーから教えを受けたジャスティン・コフリン(ピアノ)、カナダ生まれの19歳、ニッキー・ヤノフスキー(ヴォーカル)などがこの日、紹介されましたが、皆、大変な意気込みを感じさせるパフォーマンスでした。昨年「ブルーノート東京」に登場したロドリゲス、すでにヴァーヴからアルバムを出しているニッキー以外、僕の知る限り初来日です。「日本のオーディエンスに自分のことを知ってもらいたい」という気持ち、そして「クインシーが自分の演奏を見ている」という重みが、プレイの張り切りに反映されたのでしょう。

もちろんベテラン・ミュージシャンにもたっぷり活躍の場が与えられました。クインシーと50年以上の交友を誇るパティ・オースティンは、ランディ・カーバー(ピアノ)をバックにジョージ・ガーシュインの楽曲を披露。スターになって久しい今もなお、彼女が研鑽をつづけていることはロング・トーンひとつとってもよくわかります。そしてトリは、サイーダ・ギャレット(ヴォーカル)とグレッグ・フィリンゲインズ(ピアノ)のデュオ。「私の名前を世界に広めてくれた曲」という前置きでサイーダが歌ったのは、かつてマイケル・ジャクソンに提供した「Man In The Mirror」。イントロが始まったとたん、超満員のオーディエンスが大きく沸きます。

「ブルーノート東京」公演はこの日限りでしたが、7月31日と8月1日には東京国際フォーラム ホールAでもコンサートが開催されます。登場ミュージシャンも演奏プログラムもホール用に変更されますので、「ブルーノート」公演を満喫したファンも、そのチケットが取れなかったファンも、ぜひ足を運ばれることをお勧めいたします!
(原田 2013 7.29)


●Quincy Jones The 80th Celebration Live in JAPAN
ピース・アーチ・ひろしま連携事業
【東京 丸の内】東京国際フォーラム ホールA
2013 7.31 wed. - 8.1 thu. Open 6:00pm Start 7:00pm
オフィシャル・サイト:
詳細はこちら

SET LIST

2013 7.28 sun.
1st
1. THE INVASION PARADE
2. QUINCIOLOGY
3. ANSWERS
4. BLUE NOTE
5. HOT PEPPERS
6. FOR CLARK
7. ALL THE THINGS YOU ARE
8. IN MY LIFE
9. ACCENTUATE THE POSITIVE
10. AIN'T NO WAY
11. SOUL BOSSA NOVA
 
2nd
1. THE INVASION PARADE
2. ANSWERS
3. OUR LOVE IS HERE TO STAY
4. THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME
5. FOR CLARK
6. BLUE NOTE
7. BUMBLE BOOGIE
8. AIN'T NO WAY
9. ACCENTUATE THE POSITIVE
10. MY FUNNY VALENTINE
11. MAN IN THE MIRROR

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