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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


昨日まではタワー・オブ・パワーの熱気溢れるファンキー・パーティが繰り広げられていましたが、明日からは一転、リオ・デ・ジャネイロのそよ風が「ブルーノート東京」に吹きます。日本で最も親しまれているブラジリアン・ミュージシャンのひとりといっても過言ではないでしょう、ジョイスのステージです。公演が待ちきれなかったぼくは、月曜日に「コットンクラブ」でパフォーマンスを堪能してまいりました。それをレポートさせていただきましょう。

最近のジョイスは、胴体のないエレアコ・ギターを使うことが多かったような気がします。しかし今回、「コットンクラブ」には年季の入ったアコースティック・ギターを持ってきていました。MCで彼女が説明するには、音楽を始めた頃から、ずっと愛用してきた楽器なのだそうです。まだ駆け出しの歌手だったころから、世界的な成功を収めて現在に至るまでのジョイスの歴史を、このギターは知っているわけですね。プログラムの中盤、ジョイスはたったひとりでアントニオ・カルロス・ジョビン作「Aguas de Marco」を弾き語りました。やさしい歌声とギターの深い音色の調和は、「見事」という一言に尽きました。

他のメンバーでは、夫のドラマー、トゥチ・モレーノのプレイが相変らず冴えていました。見かけは大学教授といった感じなのに、いちどドラムスの前に座ると何かにとりつかれたように躍動的なリズムを打ち出します。繊細なスティックさばき、複数の打楽器奏者が同時に演奏しているように感じられる超絶的なブラッシュ・ワーク、そして両手を駆使したハンド・ドラム奏法など、どれもが見事です。ぼくは今回、ドラムスのそばの席で見ることができたのですが、こんなビートを刻まれたら、どんな歌手も喜び、張り切って歌うことでしょう。ジョイスは本当に素晴らしいパートナーを見つけたものだと思います。渡辺貞夫の公演に参加したこともあるピアニスト、エリオ・アルヴェスも鮮烈なソロで大きな拍手を受けていました。

この日のジョイスはドリヴァル・カイーミ、エドゥ・ロボ他の古典に加え、近作『リオ』、『トゥード』からの曲もたっぷり聴かせてくれました。さて「ブルーノート東京」では、どんな名曲が楽しめるのでしょうか? 思いっきり期待して、足を運ばれることをお勧めいたします。
(原田 2013 7.31)

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