2013 9.21 sat. - 9.22 sun.
DIANNE REEVES
artist DIANNE REEVES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
現代屈指の歌姫、ダイアン・リーヴスが新作『ビューティフル・ライフ』を携えて来日しています。このアルバムは彼女にとって4年ぶりの作品で、しかもコンコード・レコード移籍第1弾。国内盤は今月11日にリリースされたばかりです。「自信の新作に入っているナンバーを、ぜひ皆さんにライヴで楽しんでほしい」という彼女の声が聞こえてきそうな、迫力満点のステージでした。
バンドによるパフォーマンスのあと、白いコスチュームに身を包んだダイアンが登場します。満員の観客から盛大な拍手喝采。ダイアンは笑顔のまま歌い始めます。声は深く、大きく、豊か。呼吸や発声が完璧なのでしょう、まさしく"腹の底からうたいあげる"ヴォーカルです。
ぼくはダイアンのステージを20年以上も聴いていますが、かつての彼女はいわゆる昔からのジャズ・ヴォーカルというか、前奏/歌/間奏/エンディングというパターンに沿ったパフォーマンスを行なっていたこともありました。
しかし現在のダイアンは違います。歌と楽器の段差を限りなくゼロに近づけ、バンド・メンバーと一体となって、うねるようにして楽曲を表現していくのです。1曲あたりの所要時間は、軽く10分を超えますが、「えっ、もうこんなに時間が経っていたのか」と驚くほど、どのプレイも密度の濃いものでした。大先輩リナ・ホーンの代表曲を斬新にリメイクした「Stormy Weather」、メンバーとの合作「Cold」、ボブ・マーリーの「Waiting In Vain」などなど、ときにはアフリカ風のスキャットや、超絶的なハイノート(いったい彼女は何オクターヴ出せるのでしょうか)を交えながら、ダイアンとバンドのメンバーはひとつひとつのレパートリーをダイナミックに、丁寧にこなしていきます。
プログラム後半でダイアンは「私のバンド、どうですか?」と観客に尋ねます。こう呼びかけるシンガーを、ぼくはほかに知りません。彼女がいかにバンドを重要視し、バンド込みで自身の音楽を成立させているということなのでしょう。そしてメンバー紹介を含むエンディング・ナンバーでは、ピアノのピーター・マーティンを「ソウル・フレンド」、ギターのホメロ・ルバンボを「マジック・フィンガー」、ベースのクリス・トーマスを「彼のプレイは私を最高の気分にさせてくれる」、ドラムスのテリオン・ガリーを「私をどんな場所にも連れて行ってくれる」と歌いながら紹介しました。
この2月にはカーネギー・ホール公演を大成功させたダイアン。波に乗る彼女を、クラブで聴けるのは大きな喜びです。公演は本日も行なわれます。
(原田 2013 9.22)
2013 9.21 SAT.
1st | |
---|---|
1. | BACHIAO |
2. | DREAMS |
3. | STORMY WEATHER |
4. | TANGO |
5. | I'M IN LOVE AGAIN |
6. | TRISTE |
7. | WAITING IN VAIN |
8. | COLD |
2nd | |
1. | BACHIAO |
2. | DREAMS |
3. | STORMY WEATHER |
4. | WILD ROSE |
5. | SATIATED |
6. | WAITING IN VAIN |
7. | COLD |
8. | TANGO |
9. | I WANT YOU |