10.25fri.@すみだトリフォニーホール / 10.26sat.-10.27sun. @Blue Note Tokyo
Dave Koz Symphonic Special Night @すみだトリフォニーホール
artist DAVE KOZ
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
世界中で愛されているサックス・エンターテイナー、デイヴ・コーズが「ブルーノート東京」公演を前に、1日限りのスペシャル・リサイタルを行ないました。題して「デイヴ・コーズ シンフォニック・スペシャル・ナイト」。すみだトリフォニーホールに、暖かなサックスの音色が響き渡りました。
第1部は、現在のレギュラー・グループによるパフォーマンスです。クラシックのホールで、アンプやエレクトリックを使うバンドが演奏する場合、ともすればやけにこもった、残響だけが目立つサウンドが耳に届くこともあります。しかしこの日のPAは驚くほど良好でした。各メンバーの入魂のプレイが、実に自然な残響を伴って、体に入ってきます。デイヴはテナー・サックスでステージを始め、続いてソプラノ・サックス(いわゆるカーヴド・ソプラノ)、アルト・サックスと持ち替えました。広いトリフォニーホールの舞台上で踊るように吹き、バンド・メンバーとの振り付けもバッチリ。長身のギタリスト、ランディ・ジェイコブズとのやりとりはいつ見ても面白いです。MCも含めて、全身全霊でファンを楽しませようというエンタテインメント精神が嬉しいですね。ハーブ・アルパートの「Rise」、ビートルズの「Got to Get You Into My Life」(アース、ウィンド&ファイアー版のアレンジを採用)などカヴァー曲も絶品でした。
第2部は、この日のための特別企画である新日本フィルハーモニー交響楽団とのコラボレーションです。デイヴがお気に入りの映画主題歌を演奏したヒット・アルバム『アット・ザ・ムーヴィーズ』の世界をライヴで味わえる、またとない機会です。メンバーは皆、第1部とは違う衣装。キーボード奏者のブライアン・シンプソンはアコースティック・ピアノに専念します。オープニングは「カサブランカ」からの「As Time Goes By」。デイヴは客席から登場し、あの有名なメロディを殆ど崩すことなく流麗に奏でました。「大好きな作曲家だ。本人に会うことは間に合わなかったけれど、家族のみんなとは良い友人だよ」と語りながらヘンリー・マンシーニの「Pink Panther」と「Moon River」を続けて演奏し(後者では歌も聴かせてくれました)、「James Bond Medley」では寸劇も織り交ぜて会場からたくさんの笑顔を引き出しました。
「シンフォニー・オーケストラと一緒のステージに立てるとは、夢が叶った気分だね」と語ったデイヴ。彼は絶好調を維持したまま、本日から「ブルーノート東京」で熱演を繰り広げます。
(原田 2013 10.26)
2013 10.25 FRI.
First Section | |
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1. | LIFE IN THE FAST LANE |
2. | GOT TO GET YOU INTO MY LIFE |
3. | TOGETHER AGAIN |
4. | RISE |
5. | HONEY DIPPED / PUT THE TOP DOWN |
6. | ALL I SEE IS YOU / ANYTHING'S POSSIBLE |
Second Section | |
1. | AS TIME GOES BY |
2. | OVER THE RAINBOW |
3. | PINK PANTHER |
4. | MOON RIVER |
5. | JAMES BOND |
6. | MISTY |
7. | ST. ELMO'S FIRE |
8. | CUBAN HIDEAWAY |
9. | YOU MAKE ME SMILE |
10. | SAKURA / SUKIYAKI / I'LL BE THERE |