2013 10.28 mon. - 10.30 wed.
BOOKER T. JONES introducing KORI WITHERS
artist BOOKER T.
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ブッカー・T・ジョーンズは多面体です。1960年代にメンフィス・ソウルの重鎮として超ファンキーなオルガンを弾いていたかと思えば、70年代には西海岸に転居してフォークやAOR的なサウンドにも取り組みました。80年代にはシンセサイザーも手がけていましたし、グラミー賞に輝いた近作『ポテト・ホール』、及び伝説の名門レーベル、スタックスへの復帰作であるニュー・アルバム『サウンド・ジ・アラーム』などは、彼の音楽がまた新たな局面に差しかかったことを伝えてくれます。それはひとことでいえば、なんでもあり。ブルース、ファンク、ゴスペル、R&B、ロック、ジャズ等をすべて包み込んだ、音楽の達人ブッカー・Tならではの懐の広い世界が繰り広げられているのです。
昨日から始まった来日公演でもブッカー・Tの様々な一面を聴くことができました。なにしろ16歳でレコーディング・スタジオに入っていたという天才肌です。出世作「Green Onions」のリリースからも半世紀が経っています。「来月で69歳になるんだよ」とMCで語っていましたが、音楽にかける意欲、オルガン・プレイにかける情熱は留まることを知らないようです。往年のR&B仲間との再会セッションのオファー等も殺到しているのではないかと、ぼくは想像しているのですが、今の彼にとって何よりも大切なことは、気鋭ばかりで構成された現ユニットによる"今の自分の音楽"なのでしょう。もちろんライヴでは旧作もたっぷりプレイしてくれますが、決して"60年代のレプリカ"ではなく"現在の感覚による新解釈"であるところに、ぼくはブッカー・Tの誠実さを感じました。卓越したオルガン・プレイの陰に隠れがちですが、味わい深いヴォーカル、指弾きによる切れ味鋭いギターにも彼の才能はしっかり発揮されています。
プログラム後半では、『サウンド・ジ・アラーム』に参加していたシンガーのコリ・ウィザースも登場しました。「Ain't No Sunshine」、「Lean On Me」などのヒットを放ち、ジャズやフュージョンのファンにはクルセイダーズやグローヴァー・ワシントンJr.との共演でも知られるシンガー・ソングライター、ビル・ウィザースの愛娘です。ブッカー・Tはビルのプロデューサーを務めたこともあるので、親子二代のつきあいということになりますね。コリはとても背が高く、現われただけでステージに華やかさが加わります。父親の書いた「Ain't No Sunshine」の歌詞を女性用に変えて歌い、ノラ・ジョーンズのヒット「Don't Know Why」もカヴァーしてくれました。現役を退いたと伝えられる(新作アルバムも30年近く出ていない)ビルですが、いつかコリとの親子共演を聴いてみたい、とぼくは強く思いました。
(原田 2013 10.29)
2013 10.28 MON.
1st | |
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1. | HANG 'EM HIGH |
2. | HIP HUG-HER |
3. | BORN UNDER A BAD SIGN |
4. | GREEN ONIONS |
5. | SOUL LIMBO |
6. | 66 IMPALA |
7. | AIN'T NO SUNSHINE |
8. | PUT YOUR RECORDS ON |
9. | DON'T KNOW WHY |
10. | WATCH YOU SLEEPING |
11. | TIME IS TIGHT |
12. | HEY YA |
13. | I'VE BEEN LOVING YOU TOO LONG |
14. | JAMAICA SONG |
2nd | |
1. | HARLEM HOUSE |
2. | FUN |
3. | SOUL LIMBO |
4. | HEY JOE |
5. | TAKE ME TO THE RIVER |
6. | GREEN ONIONS |
7. | AIN'T NO SUNSHINE |
8. | PUT YOUR RECORDS ON |
9. | DON'T KNOW WHY |
10. | WATCH YOU SLEEPING |
11. | POTATO HOLE |
12. | TIME IS TIGHT |
13. | JAMAICA SONG |