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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


"グッド・イヴニング・トーキョー、メリー・クリスマス!"
ブルーイの力強い声が、超満員の店内に響き渡ります。地球最高峰のパーティー・バンド(といっていいでしょう)、インコグニートの公演です。

バンドスタンドには、見慣れた顔と新顔がバランスよく揃っています。ブルーイいわく"世界一ファンキーなユダヤ人"であるマット・クーパーは今回も渋いキーボード・プレイでアンサンブルの脇をひきしめ、ヴァネッサ・ヘインズの歌声はさすがの貫禄。ナイジェル・ヒッチコックのサックスも、インコグニート・サウンドには欠かせません。若手ヴォーカリストのケイティー・レオン、キアラ・ハンター、トロンボーンのタリク・メッシはインコグニートでは初来日のようですが、彼らにもたっぷり活躍の場を与えられていました。

ヴァネッサ、ケイティー、キアラ、そして男性のトニー・モムレル(かつてシャーデーのバック・コーラスを務めていたこともあります)からなるヴォーカル隊は「圧巻」のひとことに尽きます。それぞれがリード・ヴォーカルもバック・コーラスも万能な実力者ぞろい。ヒット曲「Still A Friend Of Mine」はまずヴァネッサが歌い、その後トニーが出て、やがてふたりのかけあいになるのですが、ヴァネッサのキーでも(つまり女性のキーなのに)地声で歌いきってしまうトニーの音域の広さには「すごい」と驚くばかりでした。インストゥルメンタル曲では、1979年に結成された当初のレパートリーである「Parisienne Girl」が聴けたのも嬉しかったですね。改めてインコグニートの歴史の長さと、フュージョン/ジャズ・ファンク/ソウル・ミュージックに対するブルーイの趣向のブレなさを強く感じました。

「音楽家になろうと決めた少年の頃、私はドリーム・バンドを頭の中で描いていた。スティーヴィー・ワンダー、チャカ・カーン、スティーヴ・ガッドがメンバーなんだ。やがて大きくなって、私は彼ら全員と共演する機会を持つことができた。これは私にとって、生涯のクリスマス・プレゼントのようなものだね」と語るブルーイ。クリスマスは過ぎてしまいましたが、本日からの公演ではますますパワーアップするインコグニートが楽しめることでしょう。27日まで「ブルーノート東京」に登場し、30日と31日には「モーション・ブルー・ヨコハマ」に舞台を移します。そして怒涛のカウントダウン・ライヴへ、もつれこむのです。
(原田 2013 12.26)

SET LIST

2013 12.25 WED.
1st
1. LOVE HAS COME AROUND
2. AIN'T IT TIME
3. IT'S JUST ONE OF THOSE THINGS
4. ABOVE THE NIGHT
5. MORNING SUN
6. GIVIN' IT UP
7. LABOUR OF LOVE
8. Mr. JONES
9. GOOD LOVE
10. STILL A FRIEND OF MINE
11. PARISIENNE GIRL
12. PERCUSSION & DRUM SOLO
13. BRAZILIAN LOVE AFFAIR
14. AS
15. ALWAYS THERE
 
2nd
1. LOVE HAS COME AROUND
2. AIN'T IT TIME
3. IT'S JUST ONE OF THOSE THINGS
4. ABOVE THE NIGHT
5. MORNING SUN
6. GIVIN' IT UP
7. LABOUR OF LOVE
8. Mr. JONES
9. GOOD LOVE
10. STILL A FRIEND OF MINE
11. PARISIENNE GIRL
12. PERCUSSION & DRUM SOLO
13. BRAZILIAN LOVE AFFAIR
14. AS
15. ALWAYS THERE
16. NIGHTS OVER EGYPT

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