2014 1.28 tue.
THE BRUBECK BROTHERS JAZZ QUARTET
"TRIBUTE TO DAVE BRUBECK"
artist THE BRUBECK BROTHERS
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
「アメリカ国民芸術文化勲章」、「グラミー賞特別功労賞」など数多くの栄誉に輝くピアニスト/作曲家のデイヴ・ブルーベック。20世紀アメリカを代表する音楽家のひとりといっていいでしょう。日本に4、5回来ているはずです。初来日公演は1964年、東京オリンピック開催の年に行なわれています。余談ですがオバマ大統領は幼少の頃、ハワイで初めて彼のライヴを聴き、すっかりジャズが好きになってしまったとのことです。
デイヴはジャズだけではなくサウンド・トラック、オペラ、ミュージカルなど幅広い分野に才能を発揮しましたが、同時に大の愛妻家でもあり、子沢山としても知られていました。今、来日している"ブルーベック・ブラザーズ・ジャズ・カルテット"は、エレクトリック・フレットレス・ベースとバス・トロンボーンを演奏するクリスと、その弟であるドラム奏者のダンが双頭リーダーをつとめています。ピアノ&キーボードのチャック・ラムにはベラ・フレックやジンジャー・ベイカー等との共演歴があり、ギターのマイク・デミコはガース・ハドスン、モーズ・アリスン、マイケル・フランクス等とセッションを重ねてきました。父デイヴのカルテットにはポール・デスモンド、ジェリー・マリガン、ビル・スミスなどのサックス/クラリネット奏者が去来しましたが、息子たちのグループは管楽器に替わってギターが活躍します。そこも特徴といえましょう。
ぼくが聴いたファースト・セットのレパートリーは、すべて父デイヴの十八番ばかりでした。5拍子のボサ・ノヴァ「Bossa Nova U.S.A.」に始まり、愛娘キャシー(息子たちにとっては、姉妹にあたります)に捧げた「Kathy's Waltz」が登場します。1959年、名盤『タイム・アウト』で発表された曲ですね。この曲、一部ではビートルズの「All My Loving」に影響を与えたのでは?ともいわれています。なるほど、とてもよく似たパートがあります。マイルス・デイヴィス、ビル・エヴァンスらもとりあげた「In Your Own Sweet Way」は、まずチャックのソロ・ピアノからスタート。つづいてクリスがトロンボーンでメロディを奏で、アドリブに突入します。いつの間にかギターとドラムスが入り、チャックはキーボードでベース・ラインを奏でます。プログレッシヴ・ロックにも影響を与えた「Blue Rondo à la Turk」をファンク風に聴かせたあとは、ミリオン・セラー曲「Take Five」で大団円。クインシー・ジョーンズ、ジョージ・ベンソン、アル・ジャロウなど無数のミュージシャンにもカヴァーされている人気ナンバーですね。デイヴ・ブルーベックの息子として音楽を続けていく以上、誰も永久にこの曲のリクエストから逃れることはできません。父デイヴの初演からちょうど55年、息子たちはさらにリズムを複雑かつタイトにして、今ならではの「Take Five」を創造していました。
本日と明日は「コットンクラブ」、31日には「モーション・ブルー・ヨコハマ」で公演が行なわれます。父デイヴのDNAを受け継ぐ男たちが演奏する「Take Five」は、格別です。
(原田 2014 1.29)
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●THE BRUBECK BROTHERS JAZZ QUARTET
"TRIBUTE TO DAVE BRUBECK"
2014 1.28 TUE.
1st | |
---|---|
1. | BOSSA NOVA U.S.A. |
2. | KATHY'S WALTZ |
3. | BLUES FOR NEWPORT |
4. | IN YOUR OWN SWEET WAY |
5. | BLUE RONDO A LA TURK |
6. | TAKE FIVE |
2nd | |
1. | MARIAN MCPARTLAND |
2. | DANCE OF THE SHADOWS |
3. | THE DUKE |
4. | KATHY'S WALTZ |
5. | JAZZANIANS |
6. | STRANGE MEADOWLARK |
7. | BLUE RONDO A LA TURK |
8. | TAKE FIVE |