2014 2.7 fri. - 2.9 sun.
THE SKATALITES
artist THE SKATALITES
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
ジャマイカの誇り、スカタライツのライヴを手の届くような距離で見ることができるなんて! 昨日の公演の興奮が、まださめません。
ぼくが彼らの演奏に出会ったのは'80年代後半のことです。当時、アイランド・レコードから'60年代スカのコンピレーション・アルバムがいくつも出ていました。国内盤のCDは確か3300円したと思います。「Guns Of Navarone」、「Phoenix City」、「Lawless Street」、「El Pussy Cat」などなど、"こんなに楽しくて、かっこいい音楽があるのか!"と、むさぼるように聴きました。初めてライヴを見たのはそれから数年後、日比谷野外音楽堂で行なわれたイベントでした。ローランド・アルフォンソ、ロイド・ブリヴェット、ロイド・ニブ、トミー・マクック、そこにアーネスト・ラングリンや、まだ若手だった頃のコートニー・パインがゲスト参加しました。いま考えると歴史的な一夜だったのだと思います。
そして今、"生き残った"アルト・サックス奏者のレスター・スターリングが、スカタライツを動かしています。もちろん、「この偉大なグループの灯を消してはならない、伝えなければならない」という意気込みには相当なものがあるでしょう。しかしステージ上の彼はとにかく笑顔で、プレイすることの喜びを振りまいています。難しいことは一切なし、とにかく気持ちよくノッてくれ、踊ってくれ!という声がきこえてきそうです。他の管楽器奏者は皆、彼の息子か孫のようなものです。力強い音で流麗なアドリブを繰り広げるトランペットのトラヴィス・アントワン(ルックスもかっこいいです)、J.J.ジョンソンなどモダン・ジャズ演奏家への深い造詣も感じさせるトロンボーン奏者のアンドレ・マーチンソン、深みのある音で爽快なプレイをするテナー・サックス奏者のアゼモボ・アウドゥにも、たっぷりスポットライトがあたり、レスターも「Mean To Me」などいくつものスタンダード・ナンバーのメロディを引用しながら熱気溢れるアドリブ・プレイを繰り広げます。
中盤では、50年のキャリアを持つシンガーのドリーン・シャファーも参加。デビュー当時、スカタライツの伴奏でレコードを出している彼女ですが、いまはレギュラー・メンバーのひとりであるといっていいでしょう。デルロイ・ウィルソンに捧げた「Can't You See」、'60年代の第1次スカ・ブームの象徴といえるミリー・スモールの「My Boy Lollipop」(日本では伊東ゆかりや中尾ミエが歌いました)等を歌って、ステージをさらに盛り上げてくれました。
公演は9日まで「ブルーノート東京」、10日は「モーション・ブルー・ヨコハマ」で行なわれます。伝説は現在進行形です。お見逃しなく!
(原田 2014 2.8)
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●THE SKATALITES
モーション・ブルー・ヨコハマ公演
2014 2.10mon.
ザ・スカタライツ公演のセットリストは “今後ライブをご覧いただく皆様のために、当日の楽しみにしておきたい” とのアーティストの要望により、HPには掲載しておりません。