2.26wed.-2.27thu. @Cotton Club / 3.1sat. @Motion Blue yokohama / 3.2sun. @Blue Note Tokyo
SIXPENCE NONE THE RICHER @Cotton Club
artist SIXPENCE NONE THE RICHER
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
グラミー賞ノミネート曲「Kiss Me」が世界的にヒットしたロック・ユニット、シックスペンス・ノン・ザ・リッチャーが約15年ぶりに来日しています。ぼくは「ブルーノート東京」公演を前に、「コットン・クラブ」のステージへ足を運びました。
風変わりなグループ名はC.S.ルイスという作家の著書に由来するそうです。ちなみに"ペンス"はお金の単位で、日本円でだいたい1円50銭に相当します。結成は1990年代初頭、米国テキサス州にて。2004年に一度解散しますが、その3年後に再結成して現在に至っています。多少のメンバーの入れ替えはありますが、核というべきマット・スローカム(ギター)とリー・ナッシュ(ヴォーカル)のコンビは健在。このふたりが揃えば即座に、シックスペンス・サウンドが生まれるといっていいでしょう。
ステージは、彼らの公演を15年間まちわびたファン、そして新しく彼らを知ったファンの両方を満足させるものだったと思います。2012年のアルバム『Lost in Transition』のナンバーに加え、'90年代からのオリジナル曲、ナッシュのソロ・アルバムからの曲、そして'60年代に流行したカントリー歌手スキーター・デイヴィスのカヴァー「The End of the World」等を、次々と聴かせてくれたのです。 "「Kiss Me」はアンコールで歌うのだろうか"と勝手に想像していたのですが、初日のセカンド・セットでは3曲目に、ごくさりげなく登場しました。
ぼくは改めてCDやユーチューブで予習してから会場に向かいましたが、ナマで聴くナッシュのヴォーカルはライヴならではの力強さと奔放さに溢れていました。とにかくダイナミックス(声の抑揚)が尋常ではなく、声量も驚くほどです。教会で歌っていたことがあるためか、声の響かせ方をとことんまで熟知しているという印象を受けました。さらに驚かされたのがスローカムのギター・プレイです。ラストだけアコースティック・ギターに持ち替えましたが(フィンガー・ピッキングが絶品でした)、ほかはすべて1本のエレクトリック・ギターに専念します。リード、サイド、ソロ、オブリガートを同時にこなしながら、指先の細かなニュアンスで多彩な音色を生み出していきます。MC一切をナッシュに任せ、ステージ後方でストイックなまでにギター演奏に専念するスローカムに、ぼくはなんともいえない頼もしさを感じました。
公演は本日まで「コットン・クラブ」、その後3月1日「モーション・ブルー・ヨコハマ」、3月2日「ブルーノート東京」です。バンドを組んでいたり、自ら歌やギターに取り組んでおられる方にはとくに値千金のステージだと思います。ぜひどうぞ!
(原田 2014 2.27)
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●SIXPENCE NONE THE RICHER
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