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ROBERTO FONSECA

artist ROBERTO FONSECA

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


日本にいながらにして、キューバの凄腕たちが立て続けに聴ける。これは本当に嬉しいことです。

昨年11月のチューチョ・ヴァルデス公演を皮切りに、今年1月のゴンサロ・ルバルカバ公演、そして3月10日に行なわれたばかりのオマール・ソーサ公演と続いてきたブルーノート東京の「キューバ・ピアノ・ジャイアント・シリーズ」(←ぼくが勝手に名づけました)、今度はロベルト・フォンセカの登場です。昨年もアルバム『Yo』を引っさげて熱いライヴを聴かせてくれましたが、今年の演奏はそれに輪をかけて楽しくエキサイティングです。『Yo』がグラミー賞にノミネートされ、まさに今、乗りに乗っているという表現がぴったりです。

メンバーはマリ出身のシェリフ・ソウマノ以外、すべてキューバ生まれ。シェリフは西アフリカ発祥の21弦楽器"コラ"と、わきの下に挟んで演奏する"トーキング・ドラム"を担当します。オープニングの「7 Rayos」では、ロベルトの母親であるシンガー、Mercedes Cortes Alfaroの歌声がサンプリングされ、ロベルト自身もヴォーカルを披露。中盤ではピアノとコラの激しいバトルも繰り広げられました。ぼくがコラという楽器を知ったのは1980年代、ハービー・ハンコックがフォデイ・ムサ・スソという奏者と共演したことがきっかけです。フォンセカとシェリフのやりとりからは、どことなくハービー=ムサ・スソ・コンビの現代版という印象を受けました。

ロベルトはほぼ1曲ごとに楽しいMCをはさみ、観客に「一緒に歌おう」「遠慮しないで踊ってくれ」と呼びかけます。そのあたり、メンバー紹介以外のMCをまったくせずにひたすら演奏するゴンサロとは好対照です。アドリブ・フレーズの中に「El Cumbanchero」や「Besame Mucho」を織り交ぜながら、縦横無尽な指さばきを見せるロベルト。粒の揃った音色、シンコペーションの利きまくったフレーズは"快感"のひとことにつきます。

メンバー紹介では、"6人目のロベルト・フォンセカ・バンド"というべきミキサー、ハビエル・モレーノの名前もアナウンスされました。演奏そのものだけではなく、音響効果も含めて、あの雄大なロベルト・フォンセカ・ミュージックは構成されているのです。公演は本日まで。ぜひ五感を全開にしてお楽しみください!
(原田 2014 3.19)

SET LIST

2014 3.18 TUE.
1st & 2nd
1. 7 RAYOS
2. 80'S
3. QUIEN SOY YO
4. SAN MIGUEL
5. ASI ES LA VIDA
6. LO QUE ME HACE VIVIR
7. BIBISA
8. TRISTE ALEGRIA

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