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JOHN McLAUGHLIN & THE 4TH DIMENSION

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原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


鳥肌がたちっぱなしのライヴでした。各メンバーの超絶技巧がぶつかりあい、うねり、大きく旋回しながらこちらに迫ってくる感じといえばいいでしょうか。音の渦に飲み込まれっぱなしの90分間。すべての音が消えた瞬間、客席からは大きな溜息、歓声、拍手が沸き起こり、つづいて何十名ものファンがスタンディング・オベイションでミュージシャンたちに敬意を表しました。

"ジョン・マクラフリン&ザ・フォース・ディメンション"の日本初公演がただいま、行なわれています。このグループが結成されたのは今からちょうど10年前、2004年のことです。まさしく、満を持しての日本上陸といっていいでしょう。マクラフリンは過去、いろんなユニットを率いて音楽シーンを席巻してきました。しかしマハヴィシュヌ・オーケストラが続いたのは5年程度、シャクティも3年ほどであり(いずれも後年、再結成しますが)、10年間も続いてきたケースは稀です。いかにマクラフリンがこのバンドを愛し、楽しんでいるか。そしてメンバーがいかにマクラフリンに厚い信頼を寄せているか。それが強力に伝わってくるライヴでした。

冒頭、ギターをかき鳴らしながらマクラフリンがステージにあがります。「他のメンバーが各ポジションにつくのを待つ間すら惜しい」といわんばかりに、ガンガン弾きまくります。オープニングは「Raju」。チック・コリアと組んだ期間限定ユニット"ファイヴ・ピース・バンド"でも演奏していたナンバーで、様々なヴァージョンが動画サイトでもあがっていますが、いやー、ナマで聴くと興奮も迫力も段違いです。どんなに演奏が白熱しても端正な姿勢を崩さずに、驚異的なまでに粒の揃った美しい音色を高速で連発するマクラフリンに目が釘付けです。長年にわたる超絶プレイによって、彼の指の関節や筋肉はおそらく特殊な進化をとげているに違いありません。

背後ではカメルーン出身のエティエンヌ・ンバッペ(リチャード・ボナのファンにぜひ見てほしい!)が手袋をはめながらグルーヴのかたまりというべきフレーズを弾き、インド系ドラマーのランジット・バロットがポリリズムで煽り立てます。もう何拍子か分からないほどの複雑さです。だけどそのサウンドはとても親しみやすく、ダンサブルで、かっこいいのです。アラン・ホールズワース・バンドのドラマーだったゲイリー・ハズバンドのキーボード・プレイも強力そのものでした。彼は途中で何度かドラムも叩きましたが、こんなにハイレベルにドラムとキーボードの両方を演奏できるとは、「ずるいぞ」といいたくなってしまいます。

一方、ファラオ・サンダースやカルロス・サンタナも演奏した「The Light At The Edge Of The World」では官能的なまでのバラード世界を披露。「Little Miss Valley」(90年代にマクラフリンが率いていた"フリー・スピリッツ"時代の曲)では、いわゆるブルース・コードを素材に、このうえなく新鮮なプレイを聴かせてくれました。公演は明日まで、お見逃しなく!!
(原田 2014 3.25)

SET LIST

2014 3.23 SUN.
1st
1. GUITAR LOVE
2. LITTLE MISS VALLEY
3. SENOR C.S.
4. CALL & ANSWER
5. THE UNKNOWN DISSIDENT
6. ECHOES FROM THEN
7. HIJACKED
8. MOTHER TONGUES
9. MAHARINA
10. YOU KNOW, YOU KNOW
 
2nd
1. RAJU
2. ABBAJI
3. LITTLE MISS VALLEY
4. SENOR C.S.
5. ECHOES FROM THEN
6. LIGHT AT THE EDGE OF THE WORLD
7. CALL & ANSWER
8. NEW BLUES OLD BRUISE
9. HIJACKED
10. MOTHER TONGUES
11. YOU KNOW, YOU KNOW

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