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LEE RITENOUR & FRIENDS featuring ABRAHAM LABORIEL, PATRICE RUSHEN, AKIRA JIMBO with special guest NAOKO TERAI(3.28fri.), KAZUMI WATANABE(3.29sat.)

artist LEE RITENOUR , 寺井尚子

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


外の暖かな気温と、超満員の観客の熱気で、クラブの中は春まっさかりでした。リー・リトナー&フレンズの公演が、昨日から始まっています。

パトリース・ラッシェン(キーボード)、エイブラハム・ラボリエル(ベース)とリトナーは70年代からの共演仲間。伝説のユニット"ジェントル・ソウツ"でのプレイを思い起こす方もいらっしゃるでしょう。そしてドラムスは、日本が世界に誇る凄腕、神保彰が担当します。1983年のアルバム『4×4』には、彼が在籍していた"カシオペア"と、リトナー・グループが共演した超豪華セッションが収められていました。

ライヴのオープニングは「Wes Bound」、続いて「Morning Glory」。リトナー・ファンにはすっかりおなじみのナンバーですが、このメンバーが演奏するとまた新たな楽しみ、スリルが生まれます。とくに神保のドラムスの音色は惚れ惚れするほど美しく、ラボリエルとのコンビネーションは"スピーディーな重量級"というべきものでした。MC部分でリトナーは"ザ・レジェンド"とラボリエルを紹介し、"数え切れないほどのセッションをこなし、かっこいい楽曲を書いてきたヤング・レディ"とラッシェンを引き立てます。

続いては神保の自作「Jimbomba」。"この曲を初めて聴いたのは5年ぐらい前だったかな、ぼくは即座に気に入った。神保さんはドラムだけではなく、作曲の才能も凄いんだ"というリトナーの前置きのあと、「一体何人で演奏しているんだろう」と不思議になるほどの神保の超絶技巧が炸裂します。まさに、ひとりドラム・アンサンブル。とんでもなく高い場所にいくつものシンバルを置き、腕をまっすぐに伸ばしながら、鮮やかに両手両足を動かします。途中、ラボリエルが即興で、とてもユーモラスなヴォーカルを聴かせてくれました。

そして今度は、本日のスペシャル・ゲストであるヴァイオリン奏者の寺井尚子が登場。"15年ほど前に、彼女のアルバムを2枚プロデュースした。今の彼女は当時よりさらに力強く、素晴らしくなっているよ"とリトナーも喜びを隠せません。ぼくも、その豊かなイマジネーション、乗りの良いアドリブに「寺井尚子はジャズ・ヴァイオリンの世界的な第一人者である」と再認識しました。いわゆるエレクトリック・ヴァイオリンではなく、生の音色を大切にしているのも素晴らしいと思います。「Spain」や「Cantaloupe Island」などリトナーにとっては珍しいレパートリーも実に興味深かったですし、「Rio Funk」で寺井がピチカート(指弾き)ですごくファンキーなフレーズを弾き、リトナーがピック弾き、親指弾きのオクターヴ奏法、ボトルネックのスライドを使い分けて掛け合いを演じたのも見事でした。そしてラストは、リトナーのみならず、フュージョンの国歌といえる"あの曲"。客席は大喜び、大騒ぎでした。

公演は本日も行なわれます(スペシャル・ゲストは渡辺香津美)、ぜひどうぞ!
(原田 2014 3.29)

SET LIST

2014 3.28 FRI.
1st & 2nd
1. WES BOUND
2. JIMBOMBA
3. SPAIN
4. WALTZ FOR CARMEN
5. CANTALOUPE ISLAND
6. RIO FUNK
7. CAPTAIN CARIBE

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