2014 4.8 tue. - 4.10 thu.
LISA MARIE PRESLEY
artist LISA MARIE PRESLEY
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
目の覚めるような、ごきげんな南部ロックです。重量級リズムの上に、ブルースやカントリーの香りが絶妙に配合されています。主役の歌声はちょっと低めでハスキー。抑えて歌ってもシャウトしても、溢れんばかりの実力が伝わってきます。
リサ・マリー・プレスリー、ついに日本で初ライヴです。父親がエルヴィス・プレスリーであること、前夫がマイケル・ジャクソンであったことから、いわゆる"セレブ芸能人"的な見方をされることもあるようですが、ステージにあらわれた彼女は"伝説のスーパースター"の名声を借りる必要のない、飛び切り有能なシンガー・ソングライターでした。「次は何の曲を聴かせてくれるのだろう」、「うわー、このメロディ、かっこいい」、「このざらついた声がまた、いいんだよなあ」とわくわくしているうちに、あっという間にライヴの時間が過ぎてしまったという感じです。父親や前夫に一切触れず、彼らの曲をカヴァーすることがなかったのにも好感が持てました。「私は私。私自身の音楽を、日本のオーディエンスにしっかり届けたい」。そんな声が聞こえてきそうな、とびきり爽やかなプログラムだったのです。
バックのメンバーも大変な実力者揃い。"ギター、音楽監督、アレンジャー、私の夫、そして子供たちの父親"とリサ・マリーに紹介されたマイケル・ロックウッドの繊細なプレイ、ベースだけではなく巧みなコーラスでも存在感をアピールしたルイス・マルドナード、フィドルやマンドリンやペダル・スティールでカントリー風味を運ぶジェイミソン・ホリスター、オルガンやメロトロンをヴォーカルの背後にそっと忍び込ませるデイモン・フォックス、そしてスティックとマラカスを片手に持ってコクのあるビートを打ち出すジョン・サンズ。全員の名を挙げずにはいられないほど、誰もが卓越したミュージシャンでした。ブラシを使ったドラムスと、トレモロをかけたエレクトリック・ギターが印象的な「Storm of Nails」、リゾネイター・ギターがむせび泣く「Idiot」などなど、どの曲もクライマックスと呼ぶにふさわしいものでした。
リサ・マリーの最新アルバム『Storm & Grace』ではTボーン・バーネットがプロデュースを務めていましたが、彼やダニエル・ラノワの音作りに共感するファン、さらに今、来日中のボブ・ディラン公演を楽しまれた方であれば、このブルーノート東京公演は必ず心に訴えてくるはずです。公演は10日まで。もうリサ・マリーを語るときに、エルヴィスやマイケルの名前はいりません!
(原田 2014 4.9)
2014 4.8 TUE.
1st | |
---|---|
1. | SO LONG |
2. | OVER ME |
3. | STORM OF NAILS |
4. | YOU AIN'T SEEN NOTHIN' YET |
5. | WEARY |
6. | SOFTEN THE BLOWS |
7. | IDIOT |
8. | LIGHTS OUT |
9. | S.O.B. |
10. | UN-BREAK |
11. | STICKS AND STONES |
EC. | I'LL FIGURE IT OUT |
2nd | |
1. | SO LONG |
2. | OVER ME |
3. | STORM OF NAILS |
4. | YOU AIN'T SEEN NOTHIN' YET |
5. | SAVE ME |
6. | WEARY |
7. | CLOSE TO THE EDGE |
8. | IDIOT |
9. | LIGHTS OUT |
10. | S.O.B. |
11. | UN-BREAK |
12. | STICKS AND STONES |
EC. | I NEED TO KNOW |