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ALFREDO RODRIGUEZ & THE INVASION PARADE presented by QUINCY JONES PRODUCTIONS

artist ALFREDO RODRIGUEZ

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


この数ヶ月でチューチョ・ヴァルデス、ゴンサロ・ルバルカバ、ロベルト・フォンセカら世代の異なるキューバ人ピアニストが相次いで登場し、各人各様のサウンドを響かせた「ブルーノート東京」。今、それよりもさらに次のジェネレーションにあたる気鋭アルフレッド・ロドリゲスが来日し、快調なステージを繰り広げています。本当にキューバのピアノ・シーンは奥が深く、底なしです。

"ポピュラー音楽シーンの首領"クインシー・ジョーンズの目にとまり、華やかなワールド・デビューを果たしたロドリゲス。今回は新グループ"インヴェイジョン・パレード"によるステージです。同名のニュー・アルバムも出たばかりのところ、とてもタイミングのいい来日といえましょう。2本の管楽器を加えた音作りは壮大で重厚です。CDに収められていた世界が解凍・拡大・発展を経て、目の前に差し出されている印象を受けました。

オープニングは、グループのテーマ・ソングというべき「The Invasion Parade」。賑やかなパーカッションをフィーチャーした導入部から一気に引き込まれます。聴いたことのない不思議な打楽器がどこかから聴こえてくるなと思ったら、これは、ロドリゲスがピアノの最高音部分を連打する響きでした。やがて主題部分が始まり、一定のパターンを刻むベース・ラインに乗せて、アリエル・ブリンゲス(ソプラノ・サックス)やロドリゲスが技の限りを尽くします。ヘンリー・コールは、2つのスネア・ドラム、カウベルを仕込んだ独自のドラム・セットでポリリズムを作り出し、続いてソロをとるホルヘ・ビステル(トランペット)はヴァルヴの微妙な上げ下げで人声のような音、四分の一音(クオーター・トーン)を生み出します。かつて僕は、こうした奏法を、まだ無名同然だったアンブローズ・アキンムシーレのプレイで聴いてびっくりしたものですが、いまではすっかりひとつのテクニックとして音楽シーンに定着しているようです。

この曲だけで30分ほど続いたでしょうか。山あり谷ありの展開、重厚な表現は1970年代のアメリカ・スピリチュアル・ジャズを思い出させてくれます。次のナンバーは、ロドリゲスとビステルのデュオ。静謐な即興に混じり、どこかで聴いたことのある美しいメロディが、点滅するように何度か現われます。演奏が終わった後の、"いまの曲は「Quizas, Quizas, Quizas」でした"というロドリゲスのMCを聴いて、「ああ、そうだったのか」とようやく納得すると同時に、「それにしても、すごいアレンジだな」と感心させられました。

続いて演奏されたのも、キューバの有名なポップス「Guantanamera」。ロドリゲスの編曲は、この歌を火の出るようなナンバーへと変えました。意表をつくリズムとハーモニーの上で、ソリストたちが白熱のプレイを展開します。ぼくが見たのは初日のステージですが、何しろ結成されたばかりのグループで、「演奏するのが楽しくてしようがない」という面々です。今日、明日も絶好調のパフォーマンスを聴かせてくれることでしょう。旬の男、アルフレッド・ロドリゲスをぜひ、ライヴでどうぞ!
(原田 2014 4.16)


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●ALFREDO RODRIGUEZ & THE INVASION PARADE presented by QUINCY JONES PRODUCTIONS
モーション・ブルー・ヨコハマ公演
2014 4.19sat.
詳細はこちら

SET LIST

2014 4.15 TUE.
1st
1. THE INVASION PARADE
2. VEINTE AÑOS
3. TIMBEROBOT
EC. EL GÜIJE
 
2nd
1. THE INVASION PARADE
2. QUIZÁS, QUIZÁS, QUIZÁS
3. GUANTANAMERA
EC. EL GÜIJE

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