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MARCOS VALLE & STACEY KENT featuring JIM TOMLINSON

artist MARCOS VALLE , STACEY KENT

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


今年でデビュー半世紀を迎えるブラジル音楽のマエストロ、マルコス・ヴァーリ。昨日から「ブルーノート東京」に登場し、3月に発売されたばかりの最新作『マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント・ライヴ~マルコス・ヴァーリ・デビュー50周年記念』の世界をライヴで届けています。そうです、今回は"ソングバード"の異名をとる歌姫、ステイシー・ケントとのコラボレーションなのです。

デオダートも演奏した「Puma Branco」をインストゥルメンタルでしっとり奏でた後、マルコスの"ファンタスティック・シンガー"という紹介に導かれてステイシーが登場します。アメリカ出身で、現在は英国を拠点に活動している女性シンガーです。英語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語に堪能で、この日は英語とポルトガル語で歌いました。「The Face I Love」、途中からマルコスとのデュエット・ヴォーカルになる「The Answer」、ステイシーのためにマルコスが書き下ろした「Drift Away」といった名曲が、次々と続きます。ホーン・セクションにはジェシ・サドキ(トランペット)などマルコス・バンドの常連に加え、ステイシーの夫であるジム・トムリンソン(テナー・サックス)も加わります。3本の管楽器による厚いハーモニーが、マルコスとステイシーの歌声を包み込むように引き立てます。ジムはまた、バラード「My Nightingale」でスタン・ゲッツ風の美しいソロをたっぷり聴かせてくれました。

いわゆるボサ・ノヴァ第二世代に数えられるマルコスですが、彼はまた、ワルツ(3拍子)の愛好者でもあります。この日も先に触れた「The Face I Love」、ステイシーがフランス語で歌った「La Petite Valse」、そして「Pigmaleao70」といったワルツ曲を楽しむことができました。優雅なリズムと流れるようなメロディがかみあった世界は、時の流れを忘れさせるほど甘く美しいものです。

最後にプレイされた「She Told Me, She Told Me」は、マルコスとステイシーのふたりだけでパフォーマンスされました。マルコスの澄み切ったアコースティック・ピアノの音色と、鳥のさえずりのようなステイシーの歌声。このドリーム・コンビが今後も継続されることを願ってやみません。公演は22日まで続きます(20日はオフ)。
(原田 2014 4.19)

SET LIST

2014 4.18 FRI.
1st
1. PUMA BRANCO
2. THE FACE I LOVE
3. THE ANSWER
4. DRIFT AWAY
5. SUMMER SAMBA
6. MY NIGHTINGALE
7. LOOK WHO'S MINE
8. PASSA POR MIM
9. BATUCADA
10. LA PETITE VALSE
11. IF YOU WENT AWAY
12. PIGMALEAO
13. OS GRILOS
EC. SHE TOLD ME, SHE TOLD ME
 
2nd
1. PUMA BRANCO
2. THE FACE I LOVE
3. THE ANSWER
4. DRIFT AWAY
5. SUMMER SAMBA
6. MY NIGHTINGALE
7. GENTE
8. LOOK WHO'S MINE
9. PASSA POR MIM
10. BATUCADA
11. LA PETITE VALSE
12. IF YOU WENT AWAY
13. PIGMALEAO
14. OS GRILOS
EC. SHE TOLD ME, SHE TOLD ME

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