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SIMON PHILLIPS "Protocol II" featuring Andy Timmons, Steve Weingart, Ernest Tibbs

artist ANDY TIMMONS , SIMON PHILLIPS

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


5月の「ブルーノート東京」は、"ドラム・フェスティバル"といっても過言ではないでしょう。マイルス・デイヴィスやキース・ジャレットとの共演でも知られるジャック・ディジョネットの新ユニット、ハーヴィー・メイソンがフォープレイとは別の一面を全開した"カメレオン"に続き、現在はサイモン・フィリップスの会心のプロジェクト"プロトコールII"が圧倒的なパフォーマンスで会場を熱狂させています。

サイモンといえばジェフ・ベックやミック・ジャガーとの共演を筆頭に、ザ・フー、ジューダス・プリースト、マイケル・シェンカー・グループ、TOTO等でも活動をしてきたカリスマ的存在。近年は上原ひろみザ・トリオ・プロジェクトの一員としても超絶プレイを繰り広げ、以前にも増して日本のファンに親しまれる存在になっています。そのサイモンが、久々にリーダー・ユニットを立ち上げて来日したのですから、これは本当に快挙です。

ザ・トリオ・プロジェクトでは舞台上手(客席から見て右側)にドラムスをセッティングしていたサイモンですが、今回のステージでは逆。つまり左側に、あの巨大なドラム・セットが置かれ、客席からは彼の右腕の動きがバッチリ見えるようになっています。数えるのが面倒になるほど多くのタムやシンバルが並んでいますが、サイモンは「この曲のこの部分には、このパーツを叩く以外にない。それが最高にかっこいいサウンドを生み出すのだ」といわんばかりの勢いで、技の数々を決めていきます。MC部分ではドラム・セットから離れ、ステージ前方まで来て、日本語を交えて観客を和ませました。超絶プレイをした直後だというのに、息切れひとつせず、ユーモアたっぷりに語りかけるサイモンに、ぼくは驚きがとまりませんでした。

ギターのアンディ・ティモンズ、ベースのアーネスト・ティブス、カシオ・シンセサイザーとフェンダー・ローズを主に担当するスティーヴ・ワンガー("ウェインガート"とは聴こえませんでした)もさすが、サイモンが見込んだだけあってテクニック、グルーヴともに圧倒的です。この3月、自身のバンドで「コットンクラブ」に出演して大好評だったアンディ(そこではヴォーカルも聴かせてくれました)がギターに専念して、怒涛のごとく弾きまくっていたのも強く印象に残りました。公演は本日までブルーノート東京、6月1日と2日は「コットンクラブ」です。どのセットに足を運んでも、期待が裏切られることはないでしょう。
(原田 2014 5.31)


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●SIMON PHILLIPS "Protocol II"
featuring Andy Timmons, Steve Weingart, Ernest Tibbs
コットンクラブ公演
2014 6.1 sun. - 6.2 mon.
詳細はこちら

SET LIST

2014 5.30 FRI.
1st
1. PROTOCOL
2. STERN CRAZY
3. WILDFIRE
4. SOOTHSAYER
5. GEMINI
6. MOMENTS OF FORTUNE
7. UPSIDE IN DOWNSIDE UP
EC. MIDAIR DECISION
 
2nd
1. OCTOPIA
2. ENIGMA
3. KUMI NA MOJA
4. FIRST ORBIT
5. WILDFIRE
6. STERN CRAZY
7. UPSIDE IN DOWNSIDE UP
EC. SPACE BOOGIE

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