2014 6.1 sun. - 6.3 tue.
BRIAN AUGER's OBLIVION EXPRESS featuring ALEX LIGERTWOOD
artist ALEX LIGERTWOOD , BRIAN AUGER
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
このところの「ブルーノート東京」は、ロンドン出身の巨星の出演が続いています。先日までサイモン・フィリップスの"プロトコルII"が熱狂的なステージを繰り広げていましたが、現在は名キーボード奏者、ブライアン・オーガーの伝説的グループ"オブリヴィオン・エクスプレス"が会場をグルーヴで包み込んでいます。しかもヴォーカルは、大の盟友アレックス・リジャウッド(リガートウッド)。アレックスといえばサンタナとの活動でも著名ですが、注目されるきっかけとなったのはそれ以前、ブライアンのバンドに在籍していたときです。'70年代から断続的に続いてきたブライアンとアレックスの共演が目の前で聴ける、これはぼくのようなファンにとってたまらなくうれしいことです。ブライアンのファンキーなキーボードとアレックスのディープな歌声は、この日も一体となって極上の世界を届けてくれました。
ちょっと見た感じ、まるで格闘技選手のようなブライアンですが、笑顔を浮かべた表情は人懐っこさを感じさせます。日本語を混ぜたMCもユーモラスそのもの。オープニングの「Straight Ahead」の曲名を、"まっすぐ"と日本語で紹介してくれました。アレックスは、最初からエンジン全開です。リズムに体を揺らしながらの熱唱、大きく声を張り上げると首にいくつもの筋が浮かび上がります。それはおそらく、40年以上にわたってソウルフルにシャウトしてきた者ならではの勲章というべきものなのでしょう。ブライアンは前半で短いシンセサイザー・ソロをとり、後半ではハモンド・オルガンに移動して入魂のロング・ソロを聴かせてくれました。敬愛するジミー・スミスからの影響を感じさせるリズミカルなフレーズ、怒涛のグリッサンドを浴びながら、ぼくは「ああ、このライヴに来て本当によかった」と思いました。
途中、ジョン・コルトレーンの「ナイーマ」を無伴奏キーボード・ソロでロマンティックに聴かせてくれたほかは、すべてファンキーなナンバーばかり。途中のMCでは「大昔、ジョン・マクラフリンが私のバンドにいたんだ」と話していましたが、ほかにもグレン・ヒューズ、ロッド・スチュアート、ジュリー・ドリスコール(ティペッツ)などがブライアンのグループを去来しています。現在のバンド・メンバーであるヤロン・レヴィ(ギター)もレス・キング(ベース)も抜群に乗りのいいプレイヤーで、さすがオーガーの目にとまっただけはあります。息子のカーマ・オーガーも左利き用のドラム・セッティングで、たたみかけるようなビートを生み出します。ずしりと響くバスドラ、切れ味鋭いハイハットには思いっきり引き込まれました。それにしてもエイブ・ラボリエルJr.、ザック・スターキー、ジェイソン・ボーナム等、有名ミュージシャンの2世には、どうしてこんなに凄腕ドラマーが多いのでしょうか。
インコグニートやニュー・マスターサウンズのファンにも絶対にお勧めですし、「グルーヴ感のある音楽」に取り組んでいるアマチュア・バンドの方なら、どのメンバーの一挙一動を見ても大きな参考になるはずです。ブリティッシュ・グルーヴの至宝、ブライアン・オーガーの実演をお見逃しなく!
(原田 2014 6.3)
2014 6.1 SUN.
1st | |
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1. | FREEDOM JAZZ DANCE |
2. | HAPPINESS IS JUST AROUND THE BEND |
3. | TRUTH |
4. | STRAIGHT AHEAD |
5. | BUMPIN' ON SUNSET |
6. | INNER CITY BLUES |
7. | WHENEVER YOU'RE READY |
EC. | BRAIN DAMAGE |
2nd | |
1. | STRAIGHT AHEAD |
2. | SECOND WIND |
3. | DON'T LOOK AWAY, LOOK AROUND |
4. | I LOVE YOU MORE THAN YOU'LL EVER KNOW |
5. | HAPPINESS IS JUST AROUND THE BEND |
6. | GIANT STEPS |
7. | NAIMA |
8. | DRAGON SONG |
9. | COMPARED TO WHAT |
EC. | BRAIN DAMAGE |