LIVE REPORTS

ARTIST ARCHIVES

MONTHLY ARCHIVE

VIDEO ARCHIVES


MIKE STERN/RANDY BRECKER/BILL EVANS SUPER BAND featuring CHRIS MINH DOKY & DENNIS CHAMBERS

artist MIKE STERN , RANDY BRECKER

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


日本で最も熱い支持を受けるジャズ系ギタリストのひとり、マイク・スターンがドリーム・チームを率いて来日しています。先週、ニューヨークのクラブ「イリディアム」で行なわれた"マイク・スターン&ビル・エヴァンス・バンド"の顔ぶれに、名トランペット奏者ランディ・ブレッカーを加えた超豪華版です。

場内の明かりが落とされてマイク、ビル、クリス・ミン・ドーキー、ランディ・ブレッカー、すっかりスリムになったデニス・チェンバースが次々と登場しましたが、なぜかステージにギターがありません。それに気づいたマイクが大急ぎでギターを取りに行くところで(おそらく楽屋で指慣らししたまま、置きっぱなしにしてきたのでしょう)、客席の空気が一気に和みます。

オープニングは最近のマイクのライヴに欠かせない「Coupe de Ville」。しかしビルのサックスが加わるとまた、なんともいえない新鮮な響きが生まれます。ステージ向かって左にマイク、その右横にビル。二人が日本の舞台で並んで演奏するのは、ひょっとして1981年や83年のマイルス・デイヴィス来日公演以来かもしれません。当時のふたりは、ようやく注目され始めたばかりの気鋭でした(もっともマイクは70年代半ばから"ブラッド、スウェット&ティアーズ"やタイガー大越バンドで活動し、ごく一部の熱心なファンには認知されていましたが)。それから数十年を経ての再会は、ぼくのような当時からのリスナーにとって、ことに嬉しい贈り物となりました。

レパートリーはマイク、ビル、ランディが持ち寄って決めたようです。おかげで「Some Skunk Funk」を吹くビルという珍しい場面も見ることができました。エフェクターを通したランディのトランペットも絶好調そのもの、ここ数年の来日公演以上に軽快なハイトーンを聴けたのも収穫でした。ビルはマイルス時代、ソプラノ・サックスを吹くことが多かった記憶がありますが、今回は8割がたテナー・サックスで通しました。また、曲によってはキーボードでアンサンブルに彩りを添えていました。個人的にはランディ作「Dipshit」(間抜け、大ばか者という意味)の、ファンキーなメロディ・ラインが耳から離れませんでした。

公演は22日まで。5人の"匠技"をぜひライヴでどうぞ!
(原田 2014 6.20)

SET LIST

2014 6.19 THU.
1st
1. OUT OF THE BLUE
2. TIT FOR TAT
3. DIPSHIT
4. WHAT MIGHT HAVE BEEN
5. TIPITINA'S
EC. SOME SKUNK FUNK
 
2nd
1. COUPE DE VILLE
2. TIT FOR TAT
3. DIPSHIT
4. WING AND A PRAYER
5. SNAP DRAGON
EC. SOME SKUNK FUNK

INDEX