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PETE ESCOVEDO LATIN JAZZ ORCHESTRA featuring SHEILA E.

artist PETE ESCOVEDO , SHEILA E.

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79歳ピート翁健在!
愛娘シーラと並び立ちクール&ホットなEミュージックを披露


梅雨時の蒸し暑い夕刻、1パイントのビールで喉を潤したところでピート・エスコヴィードの初日ファースト・ステージが幕を開けた。2年前にリリースされた近作『LIVE from Stern Grove Festival』からのピックアップ・メンバーといえる陣容に、愛娘シーラEがドラム・セットで全面参加。オープニング「Alma de Carnival」でエレキ・ギターが響き渡り、会場にUSベイ・エリアのクールな夏がもたらされた。あれ? ピートがコンガ? ちょっと嬉しいハプニングかも。

2曲目は近作に収録されているミドル・テンポのバラード「True or False」ではサックスのソロとバッキングのエレピとのコントラストが鮮やかだ。続くサンバ「Brasileiro」ではシーラの軽やかなドラミングに導かれ、再びエレキ・ギターがフィーチャー。シーラのコーラスが加わるとグッと華やかになる。天性のスターである。

4曲目はラテン・フュージョンの名作「La Cun~a」で、キューバの伝統的な曲形式であるワヒーラを素材とし、特徴的なマイナー・コード進行を持っている。本ステージ随一の熱いダンス・ナンバーでトランペットのトーンも焦げ付くような熱さだ。負けじと?ピートのティンバーレス・ソロも炸裂! 後方で私はサルサのステップを取り、ウィスキー・ソーダをおかわりした。至福の時間である。

続いてピートが歌う名曲「Fly Me to the Moon」、サミー・デイヴィス・ジュニアへのトリビュートだ。粋である。パパさんのエンターテイナーぶりが発揮され、ダンス・ナンバーからの接続は完璧だ。6曲目はピート&シーラのコンガ・デュオ。2本のコンガの後ろに親子が並び立ち、会話みたいでもあるし合唱みたいでもある二人のパーカッション・アンサンブル。シーラはドラム・セットやティンバーレスでは右利きのセットなのだが、実はコンガは左利きのプレイである。子供のときからピートや叔父コーク・エスコヴィードの演奏を見て真似したシーラが、自然に見たままのコンガ演奏方法を身につけたためなのだ。ふたりの間に鏡でも入ってるんじゃないか?と思うほど正確な鏡写しプレイを見ていて、そんな幼少時のエピソードを思い出した。

ラストはラテン・ジャズ「エスタ・ノーチェ」、3ホーンズのしんがりトロンボーンが高らかに鳴る。パーカッションもホットに応える。メンバー紹介を経て、アンコールは「Whatcha Gonna Do」。コーク&ピートが70年代に結成したビッグ・バンド編成のラテン・ロック・バンド:アステカのヒット曲だ。会場全体がしばし盛り上がった後、シーラのドラム・ソロでクール・ダウン。エレガントなクロージングだ。

レセプションでピートのペインティングとシェイカーを求めた。しばし余韻に浸れますように。


text : 山本 幸洋
音楽ファン兼ライター。音楽誌ではサルサやラテン・アメリカの音楽を紹介しているが、もっとも気合いを入れてフォローしているのはラテン・ジャズ。ピート&シーラは本当に素敵な親娘、あやかりたいものである。

SET LIST

2014 6.28 SAT.
1st & 2nd
1. ALMA DE CARNIVAL
2. TRUE OR FALSE
3. BRASILEIRO
4. LA CUNA
5. FLY ME TO THE MOON
6. PERCUSSION IMPROVISATION
7. ESTA NOCHE
EC. WHATCHA GONNA DO

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