2014 7.4 fri. - 7.5 sat.
THE SUN RA ARKESTRA featuring Maestro MARSHALL ALEN - 100th Birth Anniversary Celebration of Sun Ra -
artist THE SUN RA ARKESTRA
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
サン・ラー・アーケストラが遂にブルーノート東京初登場を果たしました。創始者のサン・ラーはデューク・エリントンから大きな影響を受けたピアノ/オルガン奏者、バンド・リーダー、作編曲家。1950年代初頭から自身のことを"Sun Ra"(太陽神)と名乗るようになり、ビッグ・バンド"アーケストラ"(方舟を意味する"Ark"と、"Orchestra"をかけています)を立ち上げました。アーケストラからはファラオ・サンダース、ジュリアン・プリースター('70年代にハービー・ハンコックが率いた"セクスタント"にも在籍)、ジェームズ・スポールディング、リチャード・エヴァンス(その後バークリー音大の教授になり、上原ひろみの指導にもあたりました)、フィル・コーラン(彼の"ジ・アーティスティック・ヘリティッジ・アンサンブル"は、"アース、ウィンド&ファイアー"の母体の一つです)などが巣立ちました。またジョージ・クリントン、アフリカ・バンバータ等もサン・ラーへの敬愛を公言しています。
サン・ラーはアーケストラと共に1988年に生涯ただ一度の来日を果たした後、'93年に亡くなりました。その後テナー・サックス奏者のジョン・ギルモアがアーケストラを引き継ぎましたが他界、現在はアルト・サックス奏者マーシャル・アレンが指揮にあたっています。今年はサン・ラーの生誕100年、アレンの生誕90年にあたることからアーケストラは例年以上に忙しく稼動し、久々の来日公演が実現することにもなりました。
数年前、ぼくがニューヨークの「Abrons Arts Center」という小ホールで見たときはファンク・ブルース大会という感じで、超満員のお客さん(ほとんどがアフリカ系アメリカ人でした)が途中、通路で次々と踊りだしていたのが印象に残りましたが、今回の来日公演はよりスウィング~ジャンプ・ミュージック色が濃いように思われました。なんといったらいいのでしょう、キャブ・キャロウェイや、まだリーダーが生きていた頃のデューク・エリントンやカウント・ベイシーのオーケストラが持っていた土臭さ、人懐っこさ、粘っこい躍動感がそのまま真空パックされて2014年の東京に舞い降りた、という感じなのです。メンバーには、50年代のアーケストラに在籍していたテナー・サックス奏者、チャールズ・デイヴィスもいます(当時はバリトン・サックスを吹いていましたが)。
まさしくこれは、「百聞は一見にしかず」。演目も「Saturn」に始まり、「Watusa」、「Discipline 27-II」、スタンダード・ナンバーの「Sometimes I'm Happy」など、おいしいところをたっぷり聴かせてくれました。公演は本日もあります。グルーヴとエンタテインメントに満ち溢れたブラック・ミュージック・ショウを、どうぞお楽しみに!
(原田 2014 7.5)
2014 7.4 FRI.
1st | |
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1. | INTERPLANETARY MUSIC |
2. | SUNOLOGY |
3. | DISCIPLINE 27 A |
4. | I'LL WAIT FOR YOU |
5. | SPACE IS THE PLACE |
6. | DANCING SHADOWS |
7. | QUEER NOTIONS |
8. | ANGELS AND DEMONS AT PLAY |
9. | WHEN YOU WISH UPON A STAR |
10. | IN - B - TWEEN |
2nd | |
1. | THE SKY IS A SEA OF DARKNESS WHEN THERE IS NO SUN |
2. | SATURN |
3. | INTERSTELLAR LOW WAYS |
4. | BLUE SET |
5. | SOMETIMES I'M HAPPY |
6. | STARS FELL ON ALABAMA |
7. | LOVE IN OUTER SPACE |
8. | DISCIPLINE 27 B |
9. | FATE IN A PLEASANT MOOD |