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CANDY DULFER @Blue Note Tokyo

artist CANDY DULFER

REPORT

原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO


今年の夏もファンキー・サックス・クイーンがクラブを100%ファンキーに染めます。公私共に絶好調、人気者キャンディ・ダルファーの東京公演が始まりました。

名古屋、宮崎、札幌のオーディエンスを熱狂させてからの、待ちに待った東京入り。先にステージにあがったバンド・メンバーが演奏するなか、サックスを吹きながら登場するキャンディを目の当たりにして、客席の歓声は一気に高まります。ファンにはすっかりおなじみのオープニングですが、この演出がなければ"ファンキー・パーティ"に来た気はしない、といっていいでしょう。

「After Tonight」をプレイした後、「東京に来れて、とてもうれしいです」と日本語で挨拶するキャンディ。続いて英語に戻って、6月28日に結婚したことを報告します。すかさず、おめでとうの声援や拍手がわきおこります。パートナーはハンガリー人のサッカー選手だそうです。「みんな、一緒に歌ってくださいね。二つの言葉を繰り返すだけの、ものすごく簡単な歌詞だから」という前置きで始まったのは「Hey Now」。腰の強いレゲエのビートに乗って、キャンディのアルト・サックスが鮮やかなソロを演じます。時折、こぶしをつきあげながら吹奏するのがまた、実に絵になります。続く「What You Do (When The Music Hits)」は、リカルド・ファット・バルグルストと、ゲストのアンディ・ニンヴァルのヴォーカル・バトルが圧巻でした。アンディは赤いジャケットを着て飛び跳ねながら、地声とそうではない声(まるでヘリウムガスをのんだような声)を使い分けて聴き手を驚かせます。ミュージシャン全員がエネルギーのかたまりと化したかのような、文字通りの熱演です。

「バンドのメンバーがちょっとゆっくりしたいみたいだから、テンポを落とした曲を演奏しましょう」という前置きで始まったのは「Nikki's Dream」。キャンディが生まれたばかりの親友の子供に捧げて書いたそうですが、その女の子も今では16歳になるそうです。ウルコ・ベッドの"泣きのギター"も大フィーチャーされました。一度バックの音を止めて曲が終わったようにみせかけて、今度はキャンディのサックスとリカルドのファルセット・ヴォイスの掛け合いに移行するあたりのアレンジも心憎いばかりです。

後半ではまだレコーディングしていない新曲「History」も披露されました。こうした出来たてのナンバーが聴けるのもライヴのいいところです。アンディは口でターンテーブルの音を出し、場内を沸かせます。本編ラストは、本家本元のアヴェレイジ・ホワイト・バンド(AWB)もこの1月に「ブルーノート東京」で演奏した「Pick Up The Pieces」。キャンディはいいます。「私はこの曲が本当に大好きなの。1992年からずっと演奏しているわ。私が4歳の頃ね」。年齢をネタにしたギャグが飛び出すとは思いませんでした。キャンディはAWBとも、これまで自分が演奏してきたヴァージョンとも異なるヒップ・ホップ的な味付けをこの曲に加えて、「Pick Up The Pieces 2014」と呼びたくなるような新世界を創り出していました。

公演は本日31日まで「ブルーノート東京」、その後8月1日と2日は「コットンクラブ」に舞台を移し、4日に再び「ブルーノート東京」で行なわれます。ファンキーな夏を、どうぞ!
(原田 2014 7.31)

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●CANDY DULFER

コットンクラブ公演
2014 8.1fri.-8.2sat.
詳細はこちら

SET LIST

2014 7.30 WED.
1st & 2nd
1. INTRO
2. AFTER TONIGHT
3. HEY NOW
4. WHAT YOU DO (WHEN THE MUSIC HITS)
5. NIKKI'S DREAM / LILY WAS HERE
6. HISTORY
7. BASS IN YOUR FACE
8. PICK UP THE PIECES
EC. FULL MOON

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