2014 9.17 wed. - 9.19 fri.
KYLE EASTWOOD
artist KYLE EASTWOOD
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
映画音楽家、ベーシスト、バンド・リーダーとして活動を続けるカイル・イーストウッドが、今年も自身のバンドを率いて来日しています。9月27日には、彼が音楽を担当した映画『ジャージー・ボーイズ』が日本公開されるので、実にいいタイミングでの公演といえましょう。
父親は俳優、映画監督として不滅の名声を誇るクリント・イーストウッド。彼はまた、大のジャズ・ファンとしても知られています。カイルも幼いころからジャズのレコードやライヴに親しんでいたそうです。これまでリリースしたソロ・アルバムは6枚。ぼくはカイルに「ワールド・ミュージック的な要素も盛り込んだ、スマートなジャズ・フュージョンを聴かせる奏者」という印象を持っているのですが、今回のステージは、これまで以上に骨太でスウィンギーな、伝統的アコースティック・ジャズへの深い愛情を感じさせるものでした。
メンバーはカイルのベース(エレクトリック・ベース2種とアップライト)のほかに、クエンティン・コリンズ(トランペット)、ブランドン・アレン(サックス)、アンドリュー・マコーマック(ピアノ)、エルネスト・シンプソン(ドラムス)。ブランドンはマイケル・ブレッカーからの影響を感じさせる奏者で、ハーモニクス(倍音)の使い方が抜群です。エルネストはキューバ出身、オマール・ソーサやリチャード・ボナのバックで来日したこともあります。彼の自由自在なドラム・プレイは、間違いなくカイル・バンドの新しい魅力であるといえましょう。クエンティンもかつてないほど豪快に吹きまくり、音色の輝きもアドリブのアイディアも"パーフェクト"といっていいものでした。
プログラムは新曲の「Capirinha」、「Bullet Train」で幕を開けます。来年リリース予定のニュー・アルバムに収められるとのことですが、日本のファンにいちはやく聴かせてくれるのがうれしいですね。「Peace of Silver」は、先ごろ亡くなった巨匠ホレス・シルヴァーに捧げたナンバー。5拍子のリズムを、抜群にグルーヴさせるエルネストのプレイが圧巻でした。
カヴァー曲ではハービー・ハンコックの「Dolphin Dance」、ホレス・シルヴァーの「Blowin' the Blues Away」が演奏されました。前者はジャコ・パストリアスのヴァージョンを参考にしたのでしょうか、エレクトリック・ベースでしっとりとメロディを綴りました。18日、19日の公演ではいったいどんなナンバーを楽しませてくれるのか、聴き逃せません!
(原田 2014 9.18)
2014 9.17 WED.
1st | |
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1. | FROM RIO TO HAVANA |
2. | BULLET TRAIN |
3. | MARRAKECH |
4. | PEACE OF SILVER |
5. | DOLPHIN DANCE |
6. | LETTERS FROM IWO JIMA |
7. | UNE NUIT AU SENEGAL |
EC. | BLOWIN' THE BLUES AWAY |
2nd | |
1. | CAIPIRINHA |
2. | BULLET TRAIN |
3. | MARRAKECH |
4. | PEACE OF SILVER |
5. | DOLPHIN DANCE |
6. | LETTERS FROM IWO JIMA |
7. | UNE NUIT AU SENEGAL |
EC. | BLOWIN' THE BLUES AWAY |