2014 9.20 sat. - 9.22 mon.
THE LEGENDARY COUNT BASIE ORCHESTRA directed by SCOTTY BARNHART
artist COUNT BASIE ORCHESTRA
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
創設者のカウント・ベイシーが亡くなって、今年でちょうど30年。しかしバンドは"ザ・レジェンダリー・カウント・ベイシー・オーケストラ"と名乗り、今なお世界中のファンの声援に応えています。今回の来日公演では新コンダクターにトランペット奏者のスコッティ・バーンハートが就任、レパートリーにも変化が加わりました。
スコッティは1964年に生まれました。ぼくは90年代初頭、マーカス・ロバーツというピアニストのアルバムで彼の存在を知りましたが、ほかにもトニー・ベネット、ウィントン・マルサリス、レイ・チャールズ、ティト・プエンテらとの共演歴を持っています。ベイシー・オーケストラには、フランク・フォスターがコンダクターを務めていた'93年から参加しています。指揮ぶりは実に滑らか、トランペットの音色も輝かしく、もういうことなしです。
オープニングはフランク・シナトラの当たり曲「Come Fly With Me」。生前のシナトラはベイシー楽団の伴奏で歌うのが大好きで(3枚の共演盤を残しています)、ベイシー楽団もシナトラ愛唱曲集を吹き込んでいます。この日は"シナトラ・デイ"だったのか、ほかに「In The Wee Small Hours」や「I Thought About You」もプレイされました。美しいメロディ、洒落たアンサンブル、メリハリの効いたリズムがビッグ・バンドの醍醐味を運びます。
またこの日は、ベイシー楽団が1959年に残した名盤『チェアマン・オブ・ザ・ボード』からの曲もとりあげられました。フランク・フォスターが書いた「Who、Me?」は前任コンダクターのデニス・マクレル時代にも何度も演奏されていましたが、まさかフランク・ウェス作「Half Moon Street」が飛び出すとは思いませんでした。フォスターの曲では、これまた渋い「Four Five Six」(アルバム『イージン・イット』収録)も聴くことができました。ベイシー楽団が長い歴史を通じて残してきた無数のレパートリーにしっかり光をあてる姿勢は素晴らしいと思います。
もちろん「April In Paris」や「Lil' Darlin'」などの定番もしっかり披露。クラレンス・バンクス(トロンボーン)、ダグ・ローレンス(テナー・サックス)、ボビー・フロイド(ピアノ)らのプレイも傑出していました。普遍的なスウィングを届けながらも、そのつど必ず新味を織り交ぜてくるベイシー・オーケストラ。今回の公演も聴き逃せません!
(原田 2014 9.21)
2014 9.20 SAT.
1st | |
---|---|
1. | COME FLY WITH ME |
2. | WHO ME? |
3. | HEY JIM |
4. | IN THE WEE SMALL HOURS OF THE MORNING |
5. | CORNER POCKET |
6. | HALF MOON STREET |
7. | FOUR FIVE SIX |
8. | LI’L DARLIN’ |
9. | I THOUGHT ABOUT YOU |
10. | BASIE POWER |
11. | FROM ONE TO ANOTHER |
12. | I CAN'T GIVE YOU ANYTHING |
13. | WHIRLYBIRDS |
14. | ONE’O CLOCK JUMP |
EC. | APRIL IN PARIS |
2nd | |
1. | BASIE LAND |
2. | MOTEN SWING |
3. | SHINY STOCKINGS |
4. | I’VE GROWN ACCUSTOMED TO HER FACE |
5. | BACK TO THE APPLE |
6. | YOU 'N' ME |
7. | THE WIND MACHINE |
8. | SPLANKY |
9. | AIN'T GOT NOTHING BUT THE BLUES |
10. | CUTE |
11. | BLUES IN HOSS' FLAT |
12. | I CAN'T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE |
13. | JAMIE |
14. | BASIE |
15. | ONE 'O CLOCK JUMP |
EC. | BASIE POWER |